来年の夏に控えている大きなイベントと言えば、皆さんは何を思い浮かべますか。そう、東京オリンピックです。17日間で、33競技、339種目が行われるようです。
では、オリンピックの後には何が行われるでしょうか。答えは、東京パラリンピックです。12日間で、22競技、540種目行われます。
ところで、皆さんはどちらを先に思い浮かべましたか。きっと大半の人が、オリンピックを思い浮かべたのではないでしょうか。
私は、オリンピックとパラリンピックに向ける意識に温度差を感じるのです。実際、パラリンピックの有名な選手は何人挙げることができるでしょうか。競技、種目、開催期間はどうですか。あやふやではありませんでしたか。
なぜこのような温度差ができてしまうのでしょう。様々な理由があるのかもしれません。ですが私は、日本人のバリアフリーへの意識が低いからだと思うのです。
高齢者や障がい者の日常生活に妨げとなるものを取り除くのが、バリアフリーです。世界的に見て、日本はバリアフリー化が遅れていると言われています。世界と比べてどうなのかは私にはあまりよくわかりませんが、日本のバリアフリー化があまり進んでいないのは事実だと思っています。
その理由を、宿泊施設のバリアフリー化を例に考えてみましょう。
以前までの日本のバリアフリー法には、ホテルの車椅子使用者用の客室は、「50室以上の施設に1部屋以上」と定められていました。しかし、来年にはオリンピックやパラリンピックで、世界中からたくさんの人がやってきます。そしてその中には、障がいをもった人も多く含まれているでしょう。となると、明らかに客室数が足りません。そこで、今年9月から新しく「50室以上に客室数の1パーセント以上」を設置しなければいけないことになりました。このことを知って「え? そんな1年前で大丈夫なの?」と思わずにはいられませんでした。
このようなことがあるから、日本はバリアフリー化が遅れていると言われるのでしょう。しかし、その原因になっているのは、やはり私達の意識の低さであると思うのです。
私は、今回日本のバリアフリー化の現状について調べるまで、宿泊施設のバリアフリー法が改正されたことは、全く知りませんでした。これまで、バリアフリーに対しては関心がある方だと思っていた私ですが、普段どれだけ意識がなかったのかということに気づき、愕然としました。
しかし、こうも考えられませんか。誰でも少し興味を持つだけで、バリアフリーへの意識を持てるのではないか、と。
現在日本では、「心のバリアフリー」の浸透や「ユニバーサルデザインの街作り」を目標とした「ユニバーサルデザイン2020行動計画」というものが発表されています。この計画は、簡単に言えば「今回の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本のバリアフリー化も一気に進めちゃおう!」というものでしょう。時刻表や地図には日本語以外の言語も表記されていたり、案内版などの記号・マークもより分かりやすいものに変わったりしています。実際に変化が見られるので、とても良い計画だと思いますが「東京オリンピック・パラリンピックの機会がなかったら、発表されていないかもしれない」と考えると恐ろしいです。
東京都中心に進んでいるバリアフリー化ですが、オリンピックのマラソンが札幌で開催される北海道に住む私達も、部外者ではいられません。
現在の進度はどうであれ、バリアフリー化をするにあたって、一番大切なのは、私たちが「心のバリアフリー」を意識することだと思います。私も体験したように、ほんの少し目を向けるだけで、新しく気づくことがたくさん出てくるはずです。そこから始めて、もっと知ろうと思うこと、何か協力したいと思うこと、きっとそれがバリアフリー化を進める近道なのです。
2020年に向けて行われているバリアフリー化によって、多くの人が楽しめるオリンピック・パラリンピックになってほしいです。そして一時的な盛り上がりで終わらないように、終わった後も「心のバリアフリー」を忘れずに、社会全体が誰もが暮らしやすい環境づくりに取り組むことを願っています。私自身も、今回の気づきや驚きを決して忘れず、生活していきたいです。
















