苫小牧工業高等専門学校(小林幸徳校長)は今年度、道警サイバーセキュリティ対策本部と共同で、情報セキュリティーの啓発システムを開発した。シミュレーションアプリで、安易な個人情報の入力に警鐘を鳴らす。防犯講話などに活用し、市民の防犯意識高揚を促したい考えだ。
2018年3月、両者はサイバーセキュリティー人材育成の連携協定を締結。苫高専は本科の卒業研究を通じ、サイバー犯罪対策に協力している。18年度は苫小牧地区のサイバーセキュリティー状況を調べ、1月30日に同本部が感謝状を贈っている。
19年度は啓発システムを共同研究。苫高専情報工学科5年の鈴木基生さん(20)が昨年4月から、土居茂雄准教授(44)の指導の下、取り組んできた。
啓発システムは簡単に権限の取得許可を与えると、個人情報が流出する危険性があることをユーザーに体感してもらうシミュレーションアプリ。架空のグルメアプリをダウンロードすると、アカウント情報取得名目で、名前や誕生日など個人情報の入力を求めてくる。
実際に情報が流出するまでの流れを、スマートフォンやパソコンを操作しながら体感できる。道警が示した啓発システム構想を踏まえ、鈴木さんがグルメアプリのアイデアを具現化した。
鈴木さんは「位置情報(取得)などアプリの目的と懸け離れた権限を求められても、つい許可してしまうユーザーは多い」と指摘。「悪意のあるアプリの場合、端末から個人情報を抜き取られ、外部に流出する危険性もある」と警鐘を鳴らす。
アプリとウェブサイトを通信でつなぐなどして、システムを構築。個人が撮影した写真が流出する過程を見える化するなどの工夫もした。
「体験した人が少しでも情報セキュリティーを考える機会になれば」と鈴木さん。卒業研究のテーマにセキュリティーを選択したが、「アプリ開発自体をやったことはなく勉強した」と振り返る。
1月に道警などを対象にデモンストレーション済み。同本部の山尾博司本部長は「趣旨に沿った研究を続けてもらえ、ありがたい。今後も連携してサイバー対策に取り組みたい」と話している。
















