防災用スピーカー市内全域に設置へ 新洪水ハザードマップを全戸配布 20年度苫小牧市予算案

防災用スピーカー市内全域に設置へ 新洪水ハザードマップを全戸配布 20年度苫小牧市予算案
改訂予定の洪水ハザードマップ

 苫小牧市は地域の防災力向上へ、2020年度一般会計予算案に、防災用の屋外スピーカーを市内全域に設ける防災行政無線整備事業で約15億円、新たな洪水ハザードマップの作成と全戸配布で約650万円を盛り込む方針を固めた。20日開会予定の市議会定例会に提案する。

 いずれも市民の安心安全を守る事業で、市議会で方針を示し、検討を重ねてきた。

 大規模災害など有事の際、住民にいち早く情報を伝える防災行政無線は従来、樽前山噴火を想定。屋外スピーカーも市内西部地域の25台だけだったが地震や風水害などが頻発しており、情報発信体制強化へ全市拡大する方針を固めていた。19年度はスピーカーの設置場所や個数などを決めるため、実施設計を進めた。

 屋外スピーカーは市内全域の130基体制とし、無線電波の終了に合わせてデジタル化。25基のラッパ型を廃止し、新たに高性能な箱型にする。これまでは1基で半径200~300メートルをカバーしていたが、箱型は半径500~700メートルに広がり、音声も明瞭になる。

 ラッパ型は音が真下にも広がるが、箱型は音が水平に向かうため、設置場所周辺の騒音も緩和される見通し。設置場所は学校や公園、市道沿いなど市有地が中心となる。

 樽前山7合目ヒュッテについては、電気が届かないため、太陽光発電式の屋外スピーカーを設け、登山者らに緊急情報を届ける。

 港湾部に設置する約20基は、大型車両の走行などの騒音や倉庫など大型建築物で音が遮られやすい環境を踏まえ、赤色灯のパトライトも取り付けるなど、きめ細かに対応する。

 新たな洪水ハザードマップは、国や道がまとめた洪水想定に基づき、市民に最大の水害リスクを伝える。

 国や都道府県は15年の関東・東北豪雨を踏まえ、洪水予報河川、水位周知河川で洪水浸水想定区域図の「最大規模」を新設。従来の想定は100年に1度程度の降雨だったが、1000年に1度程度に見直している。市内については18年に勇払川、安平川、19年に苫小牧川で新たな区域図が示されていた。

 市の既存マップは中・高頻度の災害時に避難経路などを周知する観点から、50年に1度程度の降雨を想定。新マップもこれをベースに最大規模の危険性も併記する。

 最大規模の水害は市内全域が水没し、垂直避難や域外避難しかなくなる可能性があるため、あくまで水害リスクの高さを伝える手法の一つと位置付ける。

 市は20年度中に9万部を作成し、全戸に配布するほか、転入者向けなどに活用する。

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