外国人搬送を模擬体験 五輪控え意思疎通力養う 苫小牧市消防本部救急隊員らが研修

外国人搬送を模擬体験 五輪控え意思疎通力養う 苫小牧市消防本部救急隊員らが研修
ブレナンさん(右)から外国人搬送時の注意点を学ぶ救急隊員ら

 苫小牧市消防本部の救急隊員らが今年に入り、外国人の救急搬送に備えた研修を重ねている。近年、市内での外国人救急搬送が増加傾向にある上、東京五輪、パラリンピックを今夏に控え、道内全体でインバウンド(訪日外国人旅行者)の急増が見込まれるためだ。研修は1月23日から今月21日まで8回に分け、約100人の職員が参加予定。救急現場で言葉の壁を乗り越えようと外国人を講師に奮闘している。

 同本部によると、市内での外国人救急搬送は2016年、17年は共に10人だったが、18年は18人、19年も17人に上った。中国人や韓国人の旅行者が目立つという。

 同本部は新年度、救急隊に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)開発の多言語音声翻訳アプリ「ボイストラ」を導入予定だが、隊員らの対応力向上も急務だ。

 研修では、市協働・男女平等参画室の嘱託職員で中国出身の王慶娟(オウ・チンジュン)さん(36)、市国際交流員でニュージーランド出身のガルピン・ブレナンさん(23)の2人を講師に迎え、救急隊員らが外国人の救急搬送を模擬体験。それぞれ片言の日本語しか使えない外国人を演じ、隊員が意思疎通の図り方などを学んでいる。

 例えば、隊員が「何か病気を持っていますか」と尋ねると、ブレナンさんは「『病気を持つ』という表現では分からない。(外国人にとって)病気は『ある』か『掛かる』か」と指摘した。

 なかなか日本語が伝わらずに戸惑う隊員が質問を繰り返す場面では「やり取りが長いと怒る人もいる」と強調。「1、2回で通じなければ次に話を進めてほしい。処置をしてもらえないと不安になる」などとアドバイスしていた。

 救急隊が普段から使用している、症状などを伝える図柄化したカードについても「情報量が多過ぎる」などと改善を求めた。

 「言葉が通じないと、相手の感情も把握しにくい。短文で意思疎通を図る必要がある」と救急隊の高橋正和さん(56)。田中一夫救急課長は「東京五輪、パラリンピックに向けて多言語対応は重要。訓練を重ねたい」と話した。

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