市に583万円の賠償命令 大東開発の主張全面的に認める 旧エガオ訴訟

苫小牧市中心部で空きビル状態が続く苫小牧駅前プラザエガオ(中央)

 2014年に閉鎖したJR苫小牧駅南口の旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」の土地の一部を所有する不動産会社大東開発(苫小牧)が、建物を所有する苫小牧市に対し、土地を不法占有しているとし、賃料相当分などの損害賠償を求めた民事訴訟。17日、札幌地裁室蘭支部で判決があり、塩原学裁判長は同社の訴えを全面的に認め、市に583万円の支払いを命じた。市は18日、控訴する方針を固めた。

 原告の大東開発は、旧エガオビルが立つ土地の一部の権利者として現在のビル所有者である苫小牧市に、土地を不法に占有しているとして未払い賃料の支払いを請求。被告の市はビルの廃虚化を避け、駅前を再開発していくため、札幌地裁が選任した保全管理人と話し合いながら無償譲渡による土地、建物の権利集約に取り組んできた。権利集約後は民間に無償譲渡する計画も示し、違法性を否定していた。

 判決では、同社が土地を取得した理由について、市は「再開発時に補償を要求するため」と主張したが、「証拠がない」と指摘。同社の三浦実会長が、社長を務める菓子製造会社三星の創業の地で店舗を再建する目的で購入したという理由も認めた。

 市は大東開発以外のすべての権利者から土地と建物の寄付を受けており、寄付に応じない同社が駅前の再開発を妨げていると訴えたが、「建物の廃虚化を避けるためであっても寄付に応じる義務はない」と判断。同社は土地の固定資産税を払い続けており、地権者として賃料相当分を請求できないと不利益を受けるとし、同社の主張通りの損害額を認定した。

 判決に三浦会長は「当然の結果」とした上で、「早急にビルを公費解体し駅前再開発を進めるよう、関心を持ってもらうために訴訟を起こした」と説明。「市の再開発に向けた協議に応じたい」と語った。

 岩倉博文苫小牧市長は「駅前再生に向けて公的な見地から権利集約に取り組んできた。本市の主張が認められず非常に残念」とコメント。市は控訴に当たり、20日開会予定の市議会定例会で関連する議案と19年度一般会計補正予算案を追加提案する見通し。

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