苫小牧市は、同性愛者や両性愛者などLGBTを含む性的少数者について正しく理解し、差別や偏見なく業務に当たることを目的とした市職員向けガイドラインの作成を検討している。道内自治体の導入事例は少なく、胆振管内(4市7町)で検討に入るのは苫小牧が初めて。市はさまざまな機会を通じて市民から意見を聴き取り、ガイドライン作成に向けた作業を進める方針だ。
市は現在運用している第3次市男女平等参画基本計画(2018~27年度)で、性的少数者に対する偏見や差別を無くすための啓発活動に取り組むことを明記。今年1月には市職員を対象に、性的少数者の現状や求められる配慮の在り方などを学ぶ研修を初めて実施した。
作成を検討しているガイドラインは男女平等参画を宣言している都市として、誰もが心豊かに暮らせる多様性を理解したまちづくりを進めるのが狙い。担当する市協働・男女平等参画室によると、現時点で(1)多様な性に関する基礎知識(2)窓口・電話業務における配慮事項(3)職場内で注意すべき差別的言動(4)ハラスメントに関する相談体制―などの項目を想定している。
窓口業務で配慮が必要な対応として、書類に記載された性別や氏名を確認する際に「こちらで間違いありませんか」などの表現にとどめたり、パートナーが異性という固定観念を持たずに応対したりするなどの行動指針を盛り込む考えも示している。
また、申請書類における性別欄の在り方も検討する。手続きを行う上で必要性があるかどうかの判断や、申請者が自認する性を記載できる欄の例示なども想定する。
一般的に市職員向けのガイドラインは内部で独自に作成することが多いが、同室は性的少数者への理解を広げる啓発的な意味も込め、構想段階で市民の意見を収集する方針。今月7日に開かれた市男女平等参画審議会ではガイドライン作成を検討中であることを委員らに報告。原案を示し、意見を集めた。
同室の宮嶋紀子室長は「無意識の差別に苦しんでいる性的少数者も少なくない」と指摘。市職員が性の多様性を理解して業務に当たることで、安心して暮らせる社会の実現が近づくとし「市民の意見を参考にしながら検討を進めていきたい」と語っている。
【LGBTとは】
LGBTとは性的少数者の総称の一つ。レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(身体的性別と異なる性別を自認している人)の頭文字。国内の調査では国民の8・9%、約11人に1人がLGBT当事者と言われている。
















