国立アイヌ民博の矢崎さん講話 物語や価値観解説

国立アイヌ民博の矢崎さん講話 物語や価値観解説
アイヌが口伝えで受け継いで来たカムイユカラ(神謡)などについて解説した矢崎学芸員

 国立アイヌ民族博物館の学芸員矢崎春菜さん(32)を迎えたアイヌ文化講座「アイヌのおはなし」が22日、主催する苫小牧市立中央図書館で開かれた。同博物館の学芸員が市内で講演するのは初めて。同博物館は4月24日に白老町で開館を控えており、アイヌ文化などに関心の高い市民57人が講話に耳を傾けた。

 講座は同博物館PR展示の一環。矢崎さんはアイヌが口伝えで受け継いで来た民族の物語を時折朗読しながら、アイヌの人々がどんな価値観を持って暮らし、語り継いできたかを解説した。

 矢崎さんは口承文芸の語り方の違いによる分類として、カムイユカラ(神謡)、ユカラ(英雄叙事詩)、ウエケペレ(散文説話)の三つを紹介。神謡は災害や自然の象徴としてのカムイ(神)が語り手として登場する話が主で「自然との関わり方や歴史などを伝える内容が多い」と述べた。

 英雄叙事詩は娯楽的要素を含み、散文説話は教訓がある童話や落語のような笑い話など幅広い内容があるとし、「人から人へ語り継がれるそれぞれの物語が、人として大切なことは何かを教えてくれる」と訴えた。

 また「月に行った少年の話」や「キツネが夢で山の恵みを独り占めしないよう訴える話」などをアイヌ語と日本語の解説付きで朗読した。

 市内明徳町のアルバイト従業員渡辺章子さん(67)は「奥深い歴史が垣間見え、興味が湧いた。4月の開館が楽しみ」と笑顔を見せていた。

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