苫小牧市は新年度も、安心安全な地域づくりを推進する。希望しても保育園などに入れない待機児童の対策や子育て支援の充実、児童虐待問題への対応、大災害への備えなど課題は山積している。
市こども育成課によると、昨年12月1日時点での市内の待機児童は146人に上り、その大半が0歳児。この傾向は今後も続くとみられる。
市は保育施設の整備計画などを盛った、第2期市子ども・子育て支援事業計画を2020年度にスタート。これに基づき、同年度一般会計予算案には2歳児以下を受け入れる小規模保育施設の整備費として1億1450万円を計上。21年度、2園の小規模保育施設を新設し、受け入れ枠を最大19人分増やす。
子育てに関する相談体制充実へ、21年1月には、双葉町に児童相談複合施設を開設。市の子ども家庭総合支援拠点と道が運営する室蘭児童相談所の苫小牧分室が入る複合施設で、備品の購入費などとして、500万円を盛り込んだ。
新年度は深刻さを増す児童虐待問題に対応するため、児童虐待防止条例の制定も計画。制定を機に虐待の未然防止や早期発見の意識を地域全体で醸成すべく、市民や専門家、子どもの養育に関わる人などで検討組織を設置する方針だ。児童虐待に関するシンポジウムも開催。条例と合わせ、児童相談複合施設の周知にも乗り出す。
このほか、夫婦の不妊検査費助成、多子世帯の給食費助成など、出産、子育て支援にも重点配分した。
市健康こども部は「一連の取り組みを安心して子育てできる地域づくりにつなげたい」と話す。
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活火山・樽前山を抱え、太平洋に面している地域性から噴火、地震、津波、土砂災害といった災害発生が想定される苫小牧市。防災面では情報発信を通した市民の適切な避難行動を促すための事業費を計上した。筆頭の大型事業は市内に防災用屋外スピーカーを市内全域に設ける防災行政無線整備。約15億円を盛り込んだ。
これまでの防災行政無線は樽前山噴火を想定。東日本大震災以降は津波への懸念や全国での風水害頻発を考慮して、性能を強化し、増設する。従来の屋外スピーカーは市内西部地域に25台を設けていたが、新年度からは市内全域で約130基とする。無線電波の終了に伴いデジタル化。従来型のスピーカーは音声が広がる範囲が半径200~300メートルなのに対し、新たに整備するスピーカーは半径500~700メートルに広がる。
洪水ハザードマップも改訂する。市内全世帯に配るマップの作成、配布の事業費は650万円。近年、全国で局所的な大雨による水害が増えているのを踏まえ、新マップには道指定の水位周知河川3河川(勇払川、安平川、苫小牧川)ついて、洪水想定区域や避難場所、迅速な避難に必要な情報を盛り込んで9万部を発行する。
市危機管理室は「災害時は市民に適切な行動を取ってもらうことが重要。情報発信の即時性、確実性を高めたい」としている。
※(この企画は報道部・慶長佑亮、河村俊之、姉歯百合子、平沖崇徳が担当しました)
















