登山同様「自己責任」で 協議会が管理運営から離れる 苔の洞門

登山同様「自己責任」で 協議会が管理運営から離れる 苔の洞門
今後は入林者の責任で見学が可能になる苔の洞門(2018年)

 苫小牧市に近く、岩盤崩落の恐れから現在は立ち入ることができない名勝「苔(こけ)の洞門」=千歳市支寒内=。管理・運営をしている苔の洞門運営協議会(会長・山口幸太郎千歳市長)はこのほど、同協議会が責任を持って開放していくことを断念した。崩落のリスクが高いと判断したためで、今後の立ち入りについては通常の登山などと同様に「自己責任」とし、管理・運営業務から離れる。

 洞門は樽前山の火山噴火で流れ出した溶岩が固まった溶結凝灰岩が、土石流によって浸食されてできた回廊状の枯れた渓谷。かつては観光客が自由に内部に出入りできたが、2001年に岩の崩落が確認されて立ち入りが禁止された。協議会では入り口に観覧台を設置し、この場所限定で見学できるようにしたが、観覧台は14年9月に支笏湖地域で発生した集中豪雨による崖崩れで損壊。全面的に見学できない状態が続いていた。

 協議会が管理・運営から離れることは、支笏湖市民センターでこのほど開いた会合で決めた。岩盤がもろくなり、崩落の危険を拭えないためで、協議会事務局は「リスクが大きく、責任を持って開放できないと判断した」と話す。事務局に「いつになったら入れるのか」「自己責任で入れるようにしてほしい」と市民から要望が寄せられていたことも背景にあるという。

 同協議会は関係機関との調整業務のため存続。今後は土地所有者である石狩森林管理署と協議しながら観覧台の撤去などに向けて準備を進める。自己責任に基づき入林が可能になる時期は未定。

 苔の洞門は14年の豪雨の前に、80種類以上のコケが切り立った岸壁に密生する景観から、日本蘚苔(せんたい)類学会(東京)に「日本の貴重なコケの森」と認定された。運営協議会は洞門の管理運営を目的に地元団体や観光業者、行政で組織。活用策を模索し、市民を対象に意見を募り、現況調査を続け、新たな観覧台の設置や迂回(うかい)路の造成など、開放再開に向けて複数の案を検討してきた。

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