ルポ・自粛ムード漂う歓楽街 飲食店でキャンセル続々、店は感染予防対策を徹底

ルポ・自粛ムード漂う歓楽街 飲食店でキャンセル続々、店は感染予防対策を徹底
平日夜の居酒屋夕膳。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、客はまばらだった=2日午後7時25分ごろ

 道内で新型コロナウイルスの感染者が急増している影響で、苫小牧市内の飲食店では団体予約のキャンセルが相次いでいる。国が感染拡大防止に向けて不要不急の外出をしないよう呼び掛け、専門家が少人数でも宴会を見送るよう求めたことで、錦町や大町の歓楽街は閑散とした状態だ。自粛ムードの影響が漂う夜の街を歩いた。

 「今回のウイルス騒動で宴会予約が減っている。死活問題なので一刻も早く終息してほしい」。2日夜に訪れた大町の居酒屋夕膳の経営者、伊藤芳子さん(72)は切実な思いを語る。店では2月に宴会予約が8件入っていたが、3件がキャンセル。従業員からはマスクの話題で「買いたくても手に入らない。マスクなしでせきをすると周りからの視線が痛い」との声も聞いた。

 この店では例年、3月の送別会時期に週3件ほど団体予約を受けるが、今月はキャンセルで今のところゼロ。伊藤さんは「個人の常連客は来てくれるけど、売り上げの落ち込みは避けられない」と戸惑いを隠さない。

 店を出て、二条通りと一条通りを歩いたが、擦れ違う人はわずかに数人。臨時休業の張り紙を出す店もあり、地域に与えている影響の大きさを肌で感じる。

 午後8時すぎ、錦町のパブオールドファッションに入った。店内には女性1人と8人のグループ客の姿が見える。カウンターで接客する店主の伊勢康伸さん(53)に最近の状況を尋ねると「2月の予約キャンセルは3件。海外航空会社のスタッフがよく来てくれるけど、最近は姿を見ない」と近況を教えてくれた。

 今月は4件の予約が入ったが、すでに2件のキャンセルが来た。国の専門家会議が風通しの悪い空間で至近距離の会話を控えるよう呼び掛けたことをニュースで知ったが、「店内を十分に換気し、アルコール消毒も徹底している」とできる限りの対策を講じていることを訴える。

 店を出たのはまだ宵の口の午後9時。再び一条通りを西に向かって歩くが、まばらな人通りは変わらず、客待ちや行き交うタクシーも少ない。

 錦町の天ぷら店、天舟は先月25日からマスク着用で接客している。衛生面も細心の注意を払うが、数件の宴会キャンセルがあり、来店客も少ない。訪れた時は記者が最初の客だった。「市内の感染者はさらに増えるかもしれない。仕方ない面もあるが、様子を見守るしかない」と船越哲治店長(62)は語る。

 新型コロナウイルスの影響で飲食店は厳しい状況に直面している。しかし、来店客へのサービスを忘れず、消毒の徹底やマスクの着用など、できる範囲で感染拡大防止に努めている姿勢に事態の早期沈静化を願わずにはいられなかった。  (報道部・室谷実)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る