ルポ 子どもたちのいない小学校 教諭も戸惑い「できること探る」 児童登校へ準備進める

ルポ 子どもたちのいない小学校 教諭も戸惑い「できること探る」 児童登校へ準備進める
登下校する児童の姿が見られない校舎

 3日午前、苫小牧清水小学校を訪ねた。いつもならにぎやかに登校する238人の子どもたちの姿はない。職員室では、教諭たちが学年末に行う通知表や校務に係る書類の作成を前倒しでこなしていた。マスク姿も目立つ。松井操人校長は「先生たちも戸惑いがあると思う。学級通信の作成など児童たちが登校する日に向け、できる限りの準備を進めている」と説明する。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、市教育委員会は当初、市内全小中学校を2月27日から8日まで計11日間の臨時休校としていた。しかし、国の要請などを踏まえ24日まで延長することになり、清水小も9日以降への延期を考えていた行事を中止せざるを得なくなった。感染防止のためには仕方がないと納得しつつも、「卒業や進級を控える子どもたちにとって、指導者や環境が変わる大事な時期だけに残念」と松井校長は話す。

 休校の初日となった2月27日、清水小では今年度最後の授業参観を予定していた。参観の後、6年生が保護者に向けて歌や踊り、器楽合奏でアニメ曲や歌謡曲などを披露する伝統の「卒業コンサート」も中止となった。

 「子どもたちは2月から日々練習を重ね、本番を楽しみにしていたのに」と無念さをにじませる6年1組担任の安田美加子教諭。子どもたちに休校を伝えた際、「驚きと不安な様子も見られたが、冷静に受け止めているようだった。子どもたちなりに、状況を感じ取っているのでは」と振り返る。

   ◇   ◇

 今月4日に予定していた「6年生を送る会」も中止となった。下級生が卒業生に感謝の言葉を述べ、寄せ書きも手渡すはずだった。在校生の気持ちを込めた模造紙はまだ卒業生に届けられていない。卒業式は19日、体育館に保護者を迎えて実施する予定だが、在校生は出席できない。

 子どもたちも先が見えない不安を抱えながら、歯がゆさや寂しさを感じているのではないか、と安田教諭は案じている。「許された時間や範囲の中で、子どもたちが達成感を感じ、保護者に成長を見せられるような卒業式にしたい。できることを探りながら体制を整えていく」と児童との再会を心待ちにした。

(報道部・松原俊介)

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