合同体験会中止に 苫地区小学生バレーボールイベント

合同体験会中止に 苫地区小学生バレーボールイベント
合同体験会のポスターを手にする小学生バレーボールのクラブ員=2月下旬撮影

 東胆振のバレーボール少年団が手を取り合い、4月12日に苫小牧市総合体育館で開催を予定していた小学生バレーボール合同体験会の中止が決まった。PR用ポスター作成や体験練習メニュー考案など、イベントに向けて準備を進めてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、苦渋の決断を下した。競技者の減少は著しく進んでいるため、児童が進級する新年度にはチームごとに体験会を催すなどして普及に注力していく構えだ。

 「やむを得ないとしか言いようがない」と肩を落とすのは、合同開催の音頭を取ってきた苫小牧地区小学生バレーボール連盟の武田純一理事長。各自治体の動向を注視しながら体験会開催の糸口を探ったが、今月初旬に苫小牧市など自治体が小中学校休校延長を発表したことで見送ることにした。

 バレーボールに取り組む児童発掘のきっかけになるはずだった。武田理事長が監督を務める白老緑丘少年団をはじめ、泉野VC、緑小同好会、拓勇BRAVE、沼ノ端ウイング、早来アクティブと東胆振には6チームあるが、5年生以下の競技者数は記録の残る過去18年で最少の50人。チームによっては試合を行う最少人数6人に満たないところもある。

 2月下旬には初の合同練習会も開き、結束力を高めてきた矢先、新型コロナウイルス感染の広がりが社会を揺るがした。わずか3人で活動する、女子チームの早来アクティブ植村慎也監督は「期待していたので残念」と言う。一方で、選手保護者やOGらの懸命な声掛けもあり、厚真町など近隣で競技に関心を持っている小学生が数人見つかった。「なんとか選手たちを試合に出させてあげたい」と地道なPR活動を継続していく。

 また、苫小牧の拓勇BRAVEは合同体験会がなくなったことを受けて、5月末に独自のイベント実施を考えているという。「子どもたちの反応がつかめる一番の機会が体験会だった」と小田雄一代表は中止を惜しんだ。

 苫小牧地区小連では事態が収まり次第、完成済みの合同体験会ポスターを各チームに配布し、内容を書き換えた個別のイベント開催向けに利用してもらう構え。武田理事長は「今後も互いに手を携えて、(競技者人口増加のため)やれることはやっていきたい」との考えだ。

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