ルポ 長過ぎる休み家庭を訪問 そろそろ元の生活に、家で勉強や遊び「つまらない」

ルポ 長過ぎる休み家庭を訪問 そろそろ元の生活に、家で勉強や遊び「つまらない」
弟と遊びながら、日常生活が戻ることを待ちわびている矢野さん

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、苫小牧市内の全小中学校が2月27日から休校している。夏休みや冬休みとは異なり、突如始まった長期の休校。遊びや習い事も制限される中、児童がどのように休校中の日々を過ごしているのか、一軒の家庭を訪問した。

 取材に応じてくれたのは、王子町にある企業の社宅で父母と2歳の弟と暮らす、矢野柚依(ゆい)さん(11)。苫小牧東小学校の5年生だ。

 最初に訪問したのは、休校が始まってから1週間が過ぎた今月6日。1日のスケジュールは、学校がある日よりも少し遅い午前7時40分ごろに起床。担任から指示されている体温測定を済ませて朝食を取った後、1時間程度、習い事のピアノの練習に励む。

 昼食後は毎日、1時間くらい勉強することを心掛けている。担任から出された家庭学習用の課題は休校が始まってすぐに終わらせてしまったため、自分で考えて漢字の復習や算数で習う予定だった部分の自習に取り組んでいるが、弟に邪魔されることも多い。

 勉強の合間を縫い、ブロックや車のおもちゃで弟と遊んであげる。おやつを食べたり、テレビを見るなどしているうちに午後6時を過ぎ、夕食の時間となる。入浴や夜の検温を済ませ、同9時ごろに就寝。外に出るのは、家族と近くのスーパーに買い物に行くか、弟を連れて公園に行くことくらいだ。

 「もともと折り紙や読書など室内で過ごすのが好き」と話す矢野さんだが、家の中で過ごすことに少々飽きてきた様子。「弟と遊ぶのも楽しいけど、早く友達と外で遊びたいな」とつぶやく。5年生で学ぶ内容に積み残しがあることに不安も抱いている。「教科書を見ていたら、授業で習わなかったことがたくさんある。このまま6年生になって大丈夫なのかな」

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 それから約2週間後の19日、再び訪ねた。休校になってから22日目。午前中は好きなことをし、午後からは勉強するという生活スタイルは大きく変わってはいないが、起床時間や就寝時間が以前と比べて30分から1時間程度、遅くなることがあるという。

 13日は分散登校だった。「短い時間だったけど、友達に会えてほっとした」と話す。家庭学習用の課題もたくさん出され、毎日1時間、机に向かう習慣は継続している。

 取材した19日は、市内の小学校の卒業式。在校生や来賓は参加できなかった。「仕方がないと分かっていても、6年生とお別れができないのはやっぱり寂しい」とつぶやく。

 朝食作りを手伝ったり、弟の誕生日用の壁飾りを作ったりと、学校が休みだからこそできる活動にも取り組んでいるというが、「もうそろそろ、いつもの生活に戻りたい」と疲れた表情を浮かべる。

 母のまゆみさん(41)は「休校が始まってすぐは、好きなことができると思っていたようだけど、今は家で過ごすことにうんざりして『つまらない』と繰り返している」と娘の変化を語る。さらに「生活リズムを崩さないように子どもも頑張っているが、予定がない日々を送る中、少しずつリズムが崩れているよう」と心配げに語った。

 休校期間は24日に終わり、翌25日からは春休みに変わるが、矢野さんは「春休みも今とあまり変わらない生活になりそう」と諦め顔。「もう少し我慢するしかない」。自分に言い聞かせるように言葉に力を込めた。

(報道部・姉歯百合子)

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