苫小牧市でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業参入を目指していた米国のラッシュ・ストリートは、31日で苫小牧市旭町の事務所を閉鎖し、市内から撤退する。道が2020年度予算でIR関連事業費の計上を見送るなど、IR誘致の行方が見通せないため。2月末には、別のIR事業者も同町の事務所を閉鎖している。
ラッシュ社は18年12月、旭町に事務所を開設。IRセミナーで事業概要をアピールするなど精力的に活動してきた。撤退時期は明らかにしていないが関係者によると、31日付で不動産会社との契約を解約するという。
広報担当者は、道が昨年11月にIR誘致を見送ったことなどを疑問視。「IRは自治体と事業者が一緒に取り組むもの。現状を踏まえ、苫小牧での誘致活動は延期する」と述べた。日本国内での活動は継続する方針だ。
市内には、米国のIR事業者モヒガン・ゲーミング・アンド・エンターテインメントとハードロック、カナダの投資会社クレアベストを含む4社が事務所を構えていたがモヒガンも、2月末で市内旭町の事務所を閉鎖している。
ハードロックは「新型コロナウイルスの影響で2日から事務所を休業している。再開については感染拡大が収まり次第、検討する」と説明。クレアベストの関係者は「本社からの指示を待っている状況。今後、事務所をどうするかは決まっていない」とする。
市はIR誘致を見据えた国際リゾート構想を掲げ、20年度予算に国際リゾート構想推進事業費1500万円を計上。市国際リゾート戦略室は「関係団体と連携し、IR誘致を推進する」としている。
IR事業者の相次ぐ撤退について、苫小牧統合型リゾート推進協議会の藤田博章会長は「鈴木直道知事は引き続きIR誘致に挑戦していくと言っている。先行きがはっきりしてくれば再び、事業者が集まるのでは」と冷静に受け止めている。
















