新型コロナウイルス感染防止のための政府の緊急事態宣言適用が全国に拡大したことを受け、中学、高校の休校に伴って部活動も再び停止した。道の「宣言」が発せられた2月下旬から春休み期間を挟み、1カ月以上の自粛期間を乗り越えて今月初めにようやく始動したばかりだった各部。スポーツ大会も軒並み中止の判断が下る苦境の中、指導者や生徒たちは落胆しつつも前向きに捉え直そうとしている。
苫小牧工業高校バドミントン部は、9日から練習を再開させていた。他部活と併用の体育館は非常ドアを開放するなどで常に換気。人との間隔を2メートル以上空けるよう注意しながら、「3年間頑張ってきたことを大会で発揮したい」と日下黎哉主将(3年)らがブランクを取り戻すため、活動停止前まで熱のこもったトレーニングをこなしていた。
例年なら高体連の支部大会をにらんだ重要な強化時期。今年は2、3年生の16人に1年生の新入部員が多く仲間入りすることも見越して、筋力トレーニング、基礎的なシャトル打ち、屋外ランニングといった練習時の班分けをしていく算段も立てた直後の活動再停止だった。今後は無料通信アプリ「LINE(ライン)」で部のグループをつくり、トレーニングを同時刻に一斉実施する遠隔練習を進める。「この苦境こそ、ライバルと差をつける最高のチャンスと伝えている」と雁田琢也顧問は期待した。
駒大苫小牧高野球部は3日に2020年度の全体練習スタートを迎えていた。先週、部活動停止に加え、今月17日に無観客試合実施の方針だった春季支部大会中止の報が飛び込んだ。
佐々木孝介監督は「これからチームの方向性が見えてくるところだった」と話す。藤原潤主将(3年)は「残念な気持ちはあるけど、自分たちが見据えるのは夏の甲子園。その思いを変えず、個人の精神面を鍛えていきたい」と力強く語った。
苫小牧市内の中学校の部活動も今月6日に再開していたが、20日から再度停止の判断が下った。それぞれ感染拡大の防止策を取りながら練習に励んできただけに落胆は隠せなかった。
苫小牧啓北中学校サッカー部20人の部員らは、身体の接近を伴うメニューを避けるため、シュートやパスなどを中心にグラウンドで練習を続けてきた。雨天時は屋内での筋力トレーニングを行っていたが、密閉、密集、密接の「3密」を避けられないとして、やむなく休みにすることもあった。
同部の外山雄大監督は部活停止について「今は仕方ない。生徒の安全を守るためにも必要な措置」との考えだ。「部活が再開したときには、また試合に向けてチーム一丸となって頑張ってほしい」と話していた。
中学校の部活動を所管する苫小牧市教育委員会指導室は、部活動の自粛期間を5月6日までとした。再開時期について同室は「状況や道教委の通知に沿って対応する」としている。




















