鈴木知事就任1年 感染症対策に全力 ウポポイ来場者など数値目標再検討

知事就任から1年について心境を語った鈴木知事=22日午後、道庁

 鈴木直道知事は23日、就任から1年の節目を迎えた。前日の22日に開いた定例記者会見で、知事は「現在、道民の皆さまと共に新型コロナウイルスと全力で闘っている」と強調し、「再び国内外の多くの人に北海道の魅力を知ってもらい、一日も早く訪れてもらえるように、まずは新型コロナに打ち勝ちたい」と述べ、1期目の折り返しへ向かう2年目も当面は感染症対策に全力を傾注する姿勢を示した。

 ■新型コロナウイルスと選挙公約
 昨春の知事選で掲げた157項目の公約に関しては「全て着手はさせてもらった」との認識を示したが、それぞれの政策を実行するに当たり、「新型コロナウイルスの問題を早期に解決していくことが前提となる取り組みも多くある」と説明。特に今年は民族共生象徴空間(ウポポイ)の4月開業、日ロ地域間交流年の開会式、東京五輪のマラソン・競歩などが予定されていたが、「それら多くの事業が延期になった」と指摘。残り任期の中での100%公約達成にも、「新型コロナが影響を与えざるを得ない状況になってしまっている」と苦しさも吐露した。

 ■三つの数値目標
 また、▽外国人観光客誘致500万人▽道産食品輸出を2023年に1500億円▽ウポポイへの来場100万人(年間)―と道が掲げる大きな三つの数値目標も、感染拡大で「達成は極めて厳しい状況になっている」と述べ、再検討することを示唆。今年度当初予算の組み替えの可能性の検討も、担当部局に指示したことを明かした。

 ■2度の緊急事態宣言
 法的根拠はないものの、道独自に2月28日に出した「緊急事態宣言」については、「道民が一丸となって力を合わせ、感染拡大の第1波は回避し、医療提供体制や検査体制を構築する時間を確保することができた」と総括。「宣言」を決断したことに関しては「前例のない状況の中で、悩まなかったと言えばうそになる」と心境を話し、「道民の命と健康を守る観点から強力なお願いをした」と説明。「後から見れば、鈴木は本当にオーバーで、やり過ぎなんじゃないかと笑われても、私が責任を取ればいいと判断した」と語り、「良かったのか、悪かったのか。1年になるか、2年になるか。時間が評価することだと思う」と述べた。
 さらに現在は感染拡大の「第2波とも言える」との認識を示し、政府の緊急事態宣言の「特定警戒都道府県」に指定され、知事が緊急事態措置を出して再度、道民に協力を要請中。「第1波を乗り越えたみんなの力を再び呼び起こして、この闘いを勝ち抜きたい」と決意を示した。

 ■政治スタイル
 週に1度の定例会見のほか、臨時会見やツイッターなどで道民への情報発信を重視する政治スタイル。「どういうスタイルでやろうということではなく、どうやれば道民に受け止めてもらえるかを考えてやってきた」と強調。今後も「どうやれば皆さんに思いが伝わっていくのか、という視点で取り組んでいきたい」との姿勢で臨む構えだ。

 ■IR誘致
 また、知事は今回の区域認定申請を見送ったIR(カジノを含む統合型リゾート施設)について、「今回の認定から7年後に行われる区域数の検討を見据え、新型コロナの影響も重要視しなければならない」と指摘。「計画的に取り組んでいきたいと思っている」と述べ、次回の誘致挑戦の姿勢を改めて示した。

 メモ 埼玉県三郷市出身。1999年に東京都庁に入り、翌年に法政大法学部の夜学に入学。体育会のボクシング部にも入部し、昼間は都庁、夜は大学、深夜は部活と超多忙な生活を送る。
 2008年から約2年、夕張市に応援職員として派遣。11年の夕張市長選に市民グループの要請で出馬し、自民・公明などが推薦した元衆院議員の飯島夕雁氏を破って初当選。30歳で当時の全国最年少市長に就任。2期8年務め、全国唯一の財政再生団体である夕張の再生への道筋を付けた。
 昨春の知事選に自民、公明、新党大地の推薦で出馬して約162万票を獲得。野党統一候補の元衆院議員の石川知裕氏=立憲民主、国民民主、共産、社民、自由党推薦=との一騎打ちを制した。

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