低所得世帯に生活費などを貸し付ける国の「生活福祉資金貸付制度」の利用が、苫小牧市で相次いでいる。厚生労働省が3月25日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で失業したり、休業で収入が減ったりした人向けの特例貸し付けを開始してから1カ月間で160件の申請があった。異例の申請ペースで、窓口の市社会福祉協議会の職員は対応に追われている。
生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済面で支え、社会参加を促すことなどを目的とした仕組み。各都道府県の社会福祉協議会が事業主体、市区町村の社会福祉協議会が窓口を担っている。
特例貸し付けでは「緊急小口資金」と「総合支援資金」について、従来、低所得世帯などに限っていた対象を新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減少した人にも拡大。総合支援資金は通常、連帯保証人を立てない場合、年1・5%の利子が発生するが、今回は「緊急小口資金」と共に無利子としている。
緊急小口資金は、主に休業者向けで1世帯1回、最大20万円を貸与する。返済開始までの据え置き期間は貸付日から1年以内で、返済期限は2年以内。
失業者などを対象にした総合支援資金は、月20万円以内を原則3カ月以内で貸し付ける。据え置き期間は1年以内、返済期限は10年以内。それぞれ各市町村の社会福祉協議会で申し込み、道社会福祉協議会の審査を経て、1週間程度で申請者の口座に送金される。
苫小牧市社協では、受け付けを開始した3月25日以降、1日平均20件ほどの問い合わせが寄せられている。1カ月間で申請に至った160件、計2600万円はすべて緊急小口資金の申し込みで、申請者はパートやアルバイトなどの非正規労働者、自営業者が目立つという。
生活福祉資金貸付制度への申請は、例年は年間30件ほど。担当者は「新型コロナウイルスの影響による休業などで、収入が減って申し込む人が多いよう。ここまで申請件数が多い年は、これまでなかったと思う」と驚く。
連日、窓口での問い合わせや電話が相次いでおり、整理券を配布したり、職員1人を電話対応専門に充てるなどして急場をしのいでいる。
市社協の伊藤康博事務局長は「新型コロナの感染拡大が収束するまで、この状況は続くのでは」と予想。申請に訪れる際は手続きをスムーズに進めるため、身分を証明する住民票や健康保険証、印鑑、通帳、感染症の影響による減収を確認できる給与明細など必要書類を持参してほしいと呼び掛けている。
大型連休中の5月2日、6日の各日は午前9時から午後3時まで窓口を開設する。
生活福祉資金に関する問い合わせは苫小牧市社協 電話0144(32)7111。
















