日本野鳥の会が胆振・日高管内でシマフクロウの調査を開始した。環境変化などで個体数が激減しており、絶滅の恐れが最も高い絶滅危惧1A類に指定されている。今後数年かけて域内の複数箇所にマイクを設置し、音声を分析。エリア内の生息が確認できれば、同会独自の「野鳥保護区」の指定も検討し、保存活動を推進する考えだ。
シマフクロウは全長70センチ、翼を広げると180センチにもなる世界最大級のフクロウ。生息地域はロシアの日本海沿岸、サハリン南部、国後島、北海道東部など。餌となる魚が豊富な川や直径100センチ以上の巨木がある限られた地域にいるという。
森林の伐採や河川環境の変化による魚の減少で個体が減り、環境省の調査では1970~80年代には70羽まで落ち込んだ。保護活動の成果もあり、2018年の同省調査では道東地域を中心に165羽が確認されている。
シマフクロウの絶滅を防ぐため、同会は釧路や根室地域などの民有地を購入したり、所有者と協定を結んだりして独自の「野鳥保護区」とするなど保全に力を入れる。
近年は道央方面でも目撃例があり、道南を含む分布拡大が期待されるとして野鳥の会が19年に本格的な調査を開始。苫小牧市植苗のウトナイ湖ネイチャーセンターにも今年、野鳥保護区を担当するレンジャーを配置し、シマフクロウがすめる環境の保全を進めている。
調査は数年をかけ、生息が見込めるエリアに専用マイクを複数設置。周囲の音声を一定期間録音し、データを専用の音声解析ソフトで分析する。環境省などの関係機関とも連携しながら調査を進める。
保全プロジェクト推進室保護区グループの瀧本宏昭レンジャーは「できるだけ早く生息地を確認したい。人と絶滅危惧種であるシマフクロウが共生できるよう、保全を進めたい」と話している。
















