北大研究林 「餌をやらないで」 野鳥やエゾリスが人慣れ、感染症のリスクや生態系の研究に支障も

北大研究林 「餌をやらないで」 野鳥やエゾリスが人慣れ、感染症のリスクや生態系の研究に支障も
研究林に設置された餌やり禁止を呼び掛ける看板

 苫小牧市高丘の北海道大学・苫小牧研究林敷地内で、野鳥やエゾリスに餌を与える行為が問題になっている。餌付けをすると人を恐れなくなり、交通事故に遭ったり、人が感染症にかかったりする危険性がある。同研究林は餌やり禁止の看板を設置し、「ルールを守ってほしい」と強く訴えている。

 研究林の職員によると、敷地内ではこれまでヒマワリの種の殻など、餌を与えた痕跡が複数の場所で見つかっている。以前は2カ所の看板で注意喚起してきたが、餌やり行為は収まらず、昨年からは張り紙も含めた注意案内を5、6カ所に増やし、発見した際は職員が口頭で注意している。

 それでも餌付けされた野生動物は多く、今月中旬に研究林を訪れた記者の足元に餌を求めるエゾリスが近づいてきたり、差し出した手に野鳥が止まったりすることを確認。同じような行動をする個体が複数見られ、餌付け行為で人慣れし、警戒心が薄くなったことを物語った。

 職員によると、こうした餌付けは今も行われており、今後も続くと個体数が不自然に増えたり、事故に遭いやすくなると指摘。人と動物の間で感染症を引き起こす可能性もあると警鐘を鳴らす。昨年は車にはねられたとみられるエゾリス1匹、野鳥1羽の死骸も確認されている。

 さらに大学が学術研究のために管理している研究林で、野鳥や動物が不自然に集まる状況が起きると自然環境や野生生物の研究に支障が出る可能性もあるとしている。

 インターネット交流サイト(SNS)に写真を投稿する目的で餌付けしている人もいるとみられ、職員は「野生動物のことをよく考え、ルールをしっかり守ってほしい」と適正な利用を求めている。

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