利用減歯止めかからず 苫小牧の路線バス8%減263万人 4年連続の赤字

苫小牧市内路線で利用者が増えた4路線の一つ、千歳空港線の停留所=JR苫小牧駅前

 苫小牧市は、道南バス(室蘭)が市内で運行する路線バス全20路線の2019補助年度(18年10月1日~19年9月30日)の収支状況をまとめた。利用減に歯止めがかからず、運賃収入から経費を差し引いた収支総額は、市からの経営移譲後初めて1億円超のマイナスとなり、4年連続の赤字。新型コロナウイルスの影響で、今年度も厳しい状況が続く。

 19年補助年度の市内20路線の利用者数は、前年度比23万3937人減の263万214人。経営移譲された12年以降の減少幅は当初年間1~3%程度だったが、18年度に11・7%まで拡大し、19年度は8・2%だった。

 17年4月に運転手不足などを理由に1割の減便を実施。その後もダイヤ改正に合わせ利用状況を踏まえた便数調整で効率化を模索してきたが、利用が上向く兆しは見えない。

 前年度よりも利用者が増えたのは「市立病院港町循環線」「フェリー線」と「沼ノ端線」「千歳空港線」の4路線だけで、残る約8割は前年割れした。黒字を保った主力の鉄北北口線でも、6万9627人減の67万7744人にとどまった。

 長谷川義郎社長は、利用低迷について「少子高齢化や人口減少が大きい」としながら、12年4月の経営移譲後も市営バス時代の路線網を大きく見直せていない点を課題として指摘。「人が乗っていない路線も残っている。(利用者によっては)『早く目的地に着いて』と思うだろうけど、ぐるっと回ることになる」と述べた。

 運賃収入が3248万円減の5億7304万8000円となった一方、燃料高騰などで運行経費は139万2000円増の6億7642万3000円で、収支は1億337万5000円のマイナス。それでも市からの路線補助額は、走行距離短縮などの影響で449万6000円減の5619万5000円にとどまった。

 市によると、市内路線バスの利用は今年も低調。新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響などで2月が前年同月比2割弱、3月は4割、4月に5割近くまで減少。定期券の払い戻しは3、4月に合わせて100件を超えたという。

 今月の市議会定例会でも、公共交通機関としての在り方が議論され、市総合政策部の木村淳部長は「市民の足である公共交通を維持する観点から、市内路線バスの運行に対する支援策が必要と考えている」と説明。国の地方創生臨時交付金の追加配分も用いた支援策を検討する考えも示した。

 道南バスは市営バスの経営を譲り受けた12年度以降、市から利用者減などに伴う赤字路線の補助を受けている。

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