縄文文化を学び、苫小牧市静川の国指定史跡「静川遺跡」の普及活動を進める市民グループ苫小牧縄文会(矢野嘉一会長)は11月30日、設立20周年記念講演会を市内のホテルで開いた。北海道大学大学院文化研究院の小杉康特任教授が「縄文中期の環濠(かんごう)遺跡を歩く」と題して講演し、会員以外も含め73人が熱心に耳を傾けた。
小杉教授は2005年2月の設立記念講演会にも招かれ、静川遺跡の意義を解説した。この日は、JR沼ノ端駅から同遺跡までを往復する30キロ余りのコースを11月上旬に8時間かけて歩き、自ら撮影した道端の花や木、道路標識、原野などの写真を交えてリポートした。
小杉教授は「素晴らしい景色で、この景観も重要な文化資源」と語る一方、「シカに遭ったが、人とは出会わなかった。草ボウボウの歩道を整備したら、歩く文化がもう少し身近になるのでは」と指摘。「かってにフットパス」と称して同コースを歩くことを提案した。
参加した有珠の沢町の男性(79)は「市民で静川遺跡を知っていても、行ったことがある人は少ない。市も何か取り組んでもよいのでは」と感想を話した。
















