苫小牧市の市民グループ「非核平和都市条例」を考える会代表の斉藤けい子さん(78)は15日、東京で開催される平和に関するワークショップに招かれ、道内唯一の非核条例が制定された経緯について講演する。ジュネーブ条約に基づき一切の攻撃が禁止される「無防備地域宣言」をテーマにしたワークショップで、斉藤さんは宣言を広げる運動に携わった経験も交えながら、平和への思いを語る。
苫小牧市は2002年4月、「核兵器のない平和の実現に努力していくことを決意する」とうたう条例を制定した。同じ頃、無防備地域宣言を自治体に働き掛ける社会運動があり、斉藤さんらも条例に盛り込むよう求めたが、防衛施策は国の専管事項だとする強い反対意見が市議などから出され、実現しなかった。
ワークショップは「無防備地域(戦争不参加宣言)をいま改めて考える」をテーマに、東京近郊の市民グループや議員らの実行委員会が主催。運動を知る大学教授や自治体の元首長らが講演する予定。斉藤さんは非核平和都市条例の制定に関わった一人として、当時の活動について報告する。
ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻で核兵器の使用をちらつかせる中、10日にはノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表団約30人がノルウェーでの授賞式に出席する。斉藤さんはパレスチナ自治区ガザで続く戦闘にも触れ、「今の時代にこうした機会をつくってもらえてありがたい。世界で戦禍が広がっている今だからこそ、核や武力では平和を守れないということを改めて訴えたい」と力を込める。
非核条例を研究し、調査活動で苫小牧に何度も足を運んでいる立教大学兼任講師の浜恵介さん(48)もワークショップを共催する。無防備地域宣言を「平和を求める一つのツールとして考えてもらう機会になれば」と話している。
















