苫小牧市立中央図書館で11月30日、児童文学作家の升井純子さん(66)=札幌市=と写真絵本作家の小寺卓矢さん(53)=十勝管内芽室町=の講演会「『さくららら』ができるまでの2472日」が開かれた。市内外から40人が参加し、制作秘話などに耳を傾けた。
「さくららら」は上川管内幌加内町の朱鞠内湖畔に咲く1本のチシマザクラの立場になって表現したモノローグ。厳しい冬を越え、満開に咲き誇るまでの生涯を描いている。
升井さんは桜を主人公にした理由について、「新聞記事に『ようやく開花』と記載されていたことに違和感を覚えた。咲くタイミングは自由でいいんじゃないかと思った」と話し、「真実を伝えるには絵ではなく写真がベスト」と考え、写真絵本にした経緯を説明した。
小寺さんは「当初撮影していた桜が病気で開花せず、お蔵入りになった」と裏話を明かし、「自然の営みは人間の思い通りにならない」と自然に向き合う厳しさを伝えた。
恵庭市から来た吉田良樹さん(72)は「咲くタイミングは自分で決めることに注目した点や、自然と共生しながら撮影に挑む姿勢など、2人のこだわりが伝わった」と語った。
















