2万年前の日本海水温推定 北海道西方沖で平均4度 九州大など研究チーム

2万年前の日本海水温推定 北海道西方沖で平均4度 九州大など研究チーム

 2万年前の日本海表層の年間平均水温は、北海道西方沖で約4度、福井県沖で約5度と推定され、現代のオホーツク海並みに低かったと、九州大や金沢大、富山大などの研究チームが5日発表した。

 2万年前は最終氷期(7万~1万5000年前)のうち、最も寒冷な時期に当たる。海面が低下し、南からの暖流が対馬海峡を通って日本海に入って来られなかったのが、低温の主因と考えられる。

 現在の年間平均水温は北海道西方沖で約10度、福井県沖で約18度。研究成果は日本列島の気候や自然環境が温暖化に伴い、どのように変化したかを解明する重要な手掛かりになるという。

 九州大の岡崎裕典教授らは過去の水温を推定するため、硬いケイ酸質の骨格を持つ「珪質鞭毛藻」と呼ばれるプランクトンに注目した。生息海域が温暖か寒冷か、水温によって種が異なり、骨格の形状で区別できる。

 北海道西方沖と福井県沖で海底堆積物を採取し、含まれる珪質鞭毛藻の骨格を調べた結果、水温の変化を2万年前までさかのぼって推定できた。福井県沖では1万4000年前、北海道西方沖では1万年前に水温が上昇し始めており、暖流が対馬海峡を通って日本海に入って来られるようになった影響とみられる。

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