苫小牧市長選は、いずれも無所属新人で元市議会議員の金沢俊氏(50)と、元市職員の田村一也氏(49)=届け出順=がつばぜり合いを演じる中、投開票の8日まであと2日に迫った。市長選は前回(2022年6月)、投票率が過去最低の33・99%だったが、両陣営は前回を上回ると見通す。期日前投票も過去最高で推移しており、市選挙管理委員会も投票率アップを目指して啓発に力を注ぐ。
金沢氏陣営は「投票率が低ければ低いほど劣勢になる」と危機感を抱き、票の掘り起こしに努めてきた。労働組合の支援を受ける田村氏に対し「組織などで固めた一定票を持っている」と分析し、投票率について「30%台では厳しい。40%台でもどうなるか」と懸念。無党派層の取り込みに努めており、投票率50%に回復する想定も描きつつ、得票目標などを設定して追い込みを掛ける。
田村氏陣営は「投票率は40%台後半、本音は50%以上はいってほしい」と期待する。遊説活動でも日に日に反応は良くなっているといい、こちらも「投票率が高い方が有利」と無党派層への浸透に力を入れる。10月の衆院選道9区(胆振・日高管内)で、立憲民主党現職が完勝した流れもあり、各労組は一枚岩で支援しているが、「実際に活動に携わる人以外の票は盤石ではない」と危機意識を持って支持の拡大を図る。
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期日前投票は、5日までに市内6会場で1万819人が投票した。期日前投票としては過去最高だった前回の同期間(告示翌日から4日間)と比べて約1・4倍、3056人の増加となっている。
市選管は投票率アップにつなげようと、あの手この手で啓発活動を展開。告示前には市内商業施設2カ所で街頭啓発を行った他、市内高校生の協力で啓発動画を作って市の公式ラインで配信。市役所庁舎に懸垂幕を掲げるなど、有権者に投票を促している。
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市長選は、昭和時代は80%台で推移し、1967(昭和42)~87(同62)年の計6回はいずれも80%台前半だった。しかし、4期市長を務めた鳥越忠行氏は、91、95、99年と3回連続無投票当選となり、投票率は2000年代に入ると下落の一途をたどった。
06年に岩倉博文前市長が初当選して以降、無風だった18年を除いて一騎打ちの構図。5選を果たした岩倉氏は回を重ねるごとに、選挙で対抗馬と差を広げる一方、投票率は大幅な下落が続いた。特に前回は無風の見通しだったところ、告示直前に政党の支援を受けない無所属新人が出馬し、投票率は過去最低を記録した。
















