金沢、田村両候補最後の訴え あす投開票 苫小牧市長選

 岩倉博文前苫小牧市長が体調不良を理由に辞職したことに伴う市長選は8日、投開票される。届け出順でいずれも無所属新人、元市議会議員の金沢俊氏(50)=自民、公明、新党大地推薦=、元市職員の田村一也氏(49)=立憲民主、社民推薦=が、岩倉市政への評価などを争点に舌戦を繰り広げてきた。両氏は選挙戦最終日の7日、市内を「最後の訴え」で巡っており、午後8時前に選挙戦を締めくくる「矛収め」に臨む。

 金沢氏 「市長として働かせて」 
 金沢氏は7日午前8時ごろから、若草町の選挙対策事務所前で、陣営メンバーらと15分間ほど手振り活動を行い、ドライバーや通行人にあいさつ。同8時35分ごろ、選挙カーに乗り込み、「最後1日、頑張ってまいります」と声を張り上げ、事務所を出発した。

 選挙中は「現時点で劣勢だと思ってやっている」と陣営内で危機感を共有。企業や町内会の集会を中心に足を運んで支持基盤を固めてきた。陣営は「市長選のエキスパートが少なく、短期間で至らない部分はあった」と振り返りながら、限られた人員をフル稼働させて1週間を乗り切った。

 6日も木場町の岩倉建設苫小牧本店前で約700人(主催者発表)を前に演説。公約に掲げ、選挙中に訴えてきた小学校入学祝い金や子どもの遊び場設置など「子どもど真ん中」の取り組み、トップセールスによる企業誘致など経済発展を推進することなどを改めて約束し、「これまで皆さまに育てていただいた。この先、市長として働かせてください」と呼び掛けた。

 最終日は企業回りを引き続き行う他、西地区の住宅街を重点的に回って思いを届ける。矛収めは午後7時半から、同事務所で行う。

田村氏 「まちの発展へ 力を」
 田村氏は7日午前8時40分ごろ、末広町の選挙対策事務所付近で、SNSで配信する動画を撮影。引き締まった表情で「苫小牧市の発展のため、皆さまの力を最後の最後までお貸しください」と語り、選挙戦を一緒に戦った遊説隊と円陣を組んで「ガンバロー」と気合いを入れて、出発した。

 選挙中は市内をくまなく遊説し、小まめに遊説と街頭演説する地道な活動を一貫した。インスタグラムやX(旧ツイッター)などのSNSも積極的に活用した。候補の人となりも短い動画で配信し、若い層への浸透を図ってきた。SNSでも政策の訴えを重視し、陣営は「お互いに誹謗(ひぼう)中傷合戦にならず、非常にクリーンな選挙活動」と評価する。

 給食費の段階的無償化や路線バスの高齢者フリーパスの継続、駅前再開発などの政策を訴え、働き手となる子育て世代にアピールし続けた。

 最終日は木場町のMEGAドン・キホーテ苫小牧店前で大街頭演説会を開き、立憲民主党道連の逢坂誠二代表も駆け付け、支持拡大に力を尽くす。最終街頭演説会は午後7時40分から、末広町の出光カルチャーパーク南側駐車場で行う。

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