道は「アイヌ施策・アイヌの人々に対する」道民意識調査結果を公表した。アイヌの人々への差別・偏見などを直接、見聞きしたことがあるか(メディアやSNSへの書き込み等を含む)については、26.9%の道民が「直接見聞きしたことがある」と回答した。差別の原因・背景(複数回答)に関しては「アイヌ民族への固定的なイメージなど民族に対する偏見や先入観」が57.8%で最多だった。
道では、アイヌ政策を取り巻く状況が近年、大きく変化していることを重視。道の「アイヌ政策推進方策」の見直しの参考とするため、道民の意識を調べた。
2019年に「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)が施行された。この法律を知っているかについては「法律が制定されていることは知っているが、内容はよく分からない」が50.8%で最多。これに「法律が制定されていることを知らなかった」(34.1%)が続いた。「法律が制定されていることを知っており、内容もおおむね知っている」は13.7%と1割強にとどまっている。
アイヌ施策推進法では、「アイヌの人々に対して、アイヌであることを理由として差別すること、その他の権利利益を侵害すること」は禁止されている。このことを知っているかに関しては、61.2%が「知っていた」と回答。「知らなかった」は37.6%だった。
20年7月にオープンした白老町の「民族共生象徴空間」(ウポポイ)の施設に行ったことがあるかについても質問。「行ったことがある」は15.3%にとどまったものの、33.3%が「行ったことはないが、今後行ってみたい」と回答し、5割弱の道民が関心を寄せている。一方、37.7%が「行ったことがない」、10.6%が「行ったことはなく、今後も行く予定はない」と回答した。
アイヌの人々への差別・偏見については「直接見聞きしたことがある」が26.9%だったの対し、62.7%が「直接見聞きしたことはない」と回答。「分からない」が8.6%だった。
アイヌに対する差別の原因・背景に関しては「アイヌ民族への固定的なイメージなど民族に対する偏見や先入観」(57.8%)が最も多い。これに「アイヌ民族の歴史的・社会的背景に対する無理解」(52.9%)が続いた。
調査は9月~10月に道内に居住する18歳以上の1500人を対象に実施。766人から回答を得た。回答率51.1%。
















