苫小牧を代表する画家の遠藤ミマンさん(1913~2004年)が生前、苫小牧民報に寄せたエッセーを生かした収蔵品展「遠藤ミマン、モチーフを語る」が10日、苫小牧市美術博物館(末広町)で開幕した。「ハスカップ」「湿地」「馬」「三角点」など11のモチーフについてつづったエッセーとセットで作品を展示。同館所蔵の遠藤作品に新たな光を当てている。
1961年11~12月に苫小牧民報で連載された「モチーフを語る」と題した全24回のエッセーの中から、立石絵梨子主任学芸員が11回分を厳選。
同館によると、エッセーの挿絵原画の所在が分からなくなっており、立石学芸員が同館所蔵の40点余りの遠藤作品から各モチーフに合わせ、14点をピックアップした。
エッセーの掲載順に遠藤さんの油彩画や水彩画、シルクスクリーンなど多彩な作品が並び、埼玉県からの道内旅行中に立ち寄った会社員の女性(54)は「記事を読みながら鑑賞すると、作品の印象が変わる」と笑顔。苫小牧市川沿町の女性(66)は「他の収蔵品も見てみたくなった」と満足そうだった。
立石学芸員は「遠藤さんの文章は面白く、以前見た作品にも従来と違った魅力を感じてもらえると思う」と話す。
遠藤さんは安平村(現安平町)出身。苫小牧で教員生活を送る一方、創作活動に励み、絵画指導や文化芸術の普及にも尽力した。
来年3月16日まで。午前9時半~午後5時。観覧料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料。
















