建築板金技能士 女性3人合格 藤谷さん 胆振管内初の1級取得 苫金属板工業協同組合

建築板金技能士 女性3人合格 藤谷さん 胆振管内初の1級取得 苫金属板工業協同組合
「建築板金技能士」の1級に合格した藤谷さん(中央)と2級の岩渕さん(右)、庭田さん(左)

 苫小牧金属板工業協同組合(梨木仁理事長)加盟の企業から、国家資格「建築板金技能士(内外装板金作業)」の1級と2級に女性3人が合格した。同組合で複数の女性が同資格を同時取得するのは初で、うち1人が胆振管内の女性としては初めて難関の1級に認定。関係者は「現場に女性が増えるきっかけになれば」と期待している。

 10月4日付で、1級を三曻(安平町)の藤谷優由さん(25)が取得。藤谷さんは3年前2級に合格し、同組合初の女性技能士となり、1級受験に必要な実務3年間の経験を経て、最速で1級合格を達成した。2級には、いずれもサトウ工業(苫小牧市あけぼの町)の岩渕琴美さん(33)と庭田鈴音さん(34)が合格した。

 同組合によると、1級は建設工事に必要な許可をすぐに取れたり、現場の責任者になれたりするなど、公共工事を請け負う多くの現場で必須な資格。多くは30代半ばで得ているという。2級は取ることで専門職の「板金工」として扱われるようになる。組合加盟の各社に技能士約70人がいるが、これまでほとんど男性だった。

 藤谷さんは、高校卒業後に父が経営する三曻に入社。「加工の手伝いは小さいころから」と幼少期から板金に慣れ親しんできた。会社では主に住宅の屋根張り作業に関わりながら腕を磨いてきたが、1級の試験は「全部レベルが違った」。休日や終業後に苦手な実技工程を練習して1級をつかみ取り「自分で建てた家のインテリアを造るのが夢。まだ完璧ではないので、もっとできるように頑張りたい」と展望する。

 岩渕さんは苫小牧地域職業訓練センターの職人育成応援事業を修了し、サトウ工業へ入社。子育てと両立しながら資格取得に臨み、「時間の使い方が上手になった」と笑う。同社で図面の製作なども担う庭田さんも「先輩がみんな(技能士に)なっているのを見て面白そうだと思っていた。資格を持つことで『おっ』と(尊敬の)反応をされることもある」と話す。

 今月3日には同センターで技能士表彰書の授与式が行われた。同組合の梨木理事長は「男性でもハードルが非常に高い資格を取ってくれてうれしい」と感激しつつ、「板金の業界は離職率が高いのが現実。資格があることで、業界に今後も残ってくれるのでは」と願っていた。

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