11月の道内景況 2カ月連続で悪化 金融など4業界は改善

11月の道内景況 2カ月連続で悪化 金融など4業界は改善

 帝国データバンク札幌支店は、11月の道内景気動向調査結果を発表した。景気DI(「良い」と回答した企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた数値)は前月比0.3ポイント減の43.8となり、2カ月連続で悪化した。業界別では不動産など3業界で悪化しているが、金融など4業界は改善した。

 全国(44.4)との格差は0.6ポイントとなり、前月から0.4ポイント拡大した。

 企業の規模別では、大企業は前月比0.3ポイント増の44.0となり、2カ月ぶりに改善。中小企業は0.5ポイント減の43.7となり、2カ月連続で悪化した。中小企業のうち小規模企業も0.3ポイント減の44.2となり、3カ月連続で悪化した。大企業と中小企業の規模間較差は0.3ポイントとなり、2カ月ぶりに大企業が上回った。

 業界別では、不動産、製造、卸売の3業界で悪化。特に不動産は前月から9.0ポイント減と大幅に下落して43.2となり、2カ月ぶりに悪化した。これに対し金融、建設、運輸・倉庫、サービスの4業界が改善。特に金融は0.9ポイント増の45.8と5カ月ぶりに改善した。

 農・林・水産と小売の2業界は前月から横ばいで推移。小売は38・0で、業界では最も低い水準となっている。

 先行き見通しでは、「3カ月後」が44.3(前月調査44.0)、「6カ月後」が44.0(同43.6)、「1年後」が44.1(同44.8)。「1年後」を除き、前月調査より改善予想だ。

 企業からは「観光需要、特にインバウンド(訪日客)需要の回復により売り上げは増加しているが、原材料の高騰分を価格転嫁しきれず収益は良くない」(飲食料品・飼料製造)、「そこそこ仕事を抱えており、いい状態にあると思うが、資材高騰、人手不足など解決できない問題が山積みで今後に不安しかない」(建設)との声が上がっている。

 調査は11月18~30日に、道内企業1134社を対象にインターネットで実施。501社から回答を得た。回答率は44.2%。

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