道宿泊税条例案を修正 倶知安町は免税へ 相当額納付で合意 道議会予算委・総括質疑

道宿泊税条例案を修正 倶知安町は免税へ 相当額納付で合意 道議会予算委・総括質疑
提案する道宿泊税条例案を修正する考えを明らかにした鈴木知事=10日午後、道議会庁舎・第1委員会室

 道議会予算特別委員会(道見泰憲委員長)は10日、鈴木直道知事が出席して全会派による総括質疑を行った。第4回定例道議会に条例案を提案している道の法定外目的税「宿泊税」を巡り、後志管内倶知安町が反発している問題について、知事は「本日朝に、倶知安町長と私が電話で協議した結果、町内は『定率制』を基本とし、道宿泊税による税収に相当する額を道に交付する場合は道宿泊税を課税しないという、双方の制度を見直すことを基本とすることについて最終合意に至った」と明らかにした。道としては「引き続きその実現に向けて真摯(しんし)に協議を重ねていく」との姿勢を示した。三好雅氏(自民党・道民会議)と小泉真志氏(民主・道民連合)の質問に答えた。

 最短で2026年4月の導入を目指す道の宿泊税は「段階的定額制」(宿泊料金により1人当たり100円、200円、500円)を設定。これに対し19年から独自に「定率制」(1室当たり一律2%)を導入する倶知安町が反発し調整は難航。道分の「定額制」と町分の「定率制」が混在すれば、徴収事務を請け負う宿泊事業者の負担が増えることが主な理由。両者で協議を継続していたが、10日朝までに道宿泊税を倶知安町内では課税せず、同町が道税分に相当する額を道に納付する形で合意した。

 知事は「これまでの町との検討や道議会の議論を踏まえ、負担軽減策に加え、さまざまな方策について協議を継続した結果」と説明し、「双方が納得できる結論を導き出すためには、制度面の歩み寄りを行うことが重要との認識に至った」と答弁した。

 三好氏は「道宿泊税による税収に相当する額を道に交付する」という倶知安町との合意内容について、「これから総務省との協議を行うことになるが、実現は可能なのか」と迫った。

 知事は「自治体間で税相当額を他の自治体に交付することについては、地方税の他の税目において徴収の便宜を優先する観点から、広域自治体で一括徴収し基礎自治体に交付している例がある」と説明。道としては「こういった先行事例も参考に国との協議に向け、考え方を整理していく。同意が得られるよう、事前の相談も含め丁寧に取り組む」と強調。国の同意が得られなかった場合について「元の道案、すなわち段階的定額制に戻ることについては、道と町の両者で合意している」と述べた。

 また、知事は「定率制により宿泊税を導入した市町村が、道宿泊税に相当する額を道に交付する場合は、本条例を適用しないなどの条項を新たに設けることが必要になる」と述べ、提案している条例案を修正する考えも明らかにした。

 同日は赤根広介氏(北海道結志会)、荒当聖吾氏(公明党)、丸山晴美氏(共産党)も総括質疑を行った。条例修正案は付託されている総務委員会(久保秋雄太委員長)で11日に取り扱いを協議する。今定例会最終日の12日の本会議で採決される見通し。

     ◇

 予算特別委終了後の10日夜には、鈴木知事と倶知安町の文字一志町長が道庁で面談した。

 文字町長は「細かな調整事項は多々あると思うが、道と力を合わせたい」と述べた。面談後の記者団の取材に、文字町長は「今の一律2%の中から道に払うのは想定していない」と述べ、町の宿泊税の税率引き上げを検討する意向を示した。

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