平和の鐘 制作、設置費募る 苫小牧市がGCF

平和の鐘 制作、設置費募る 苫小牧市がGCF
検討委が採用した「平和の鐘」のデザイン案。上部に突き出た部分で、上空に伸び行くイメージを表現している=市提供

 苫小牧市は2026年3月開業予定の市民文化ホール(旭町)に置く「平和の鐘」について、制作、設置費用を募るふるさと納税型の「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を始めた。鐘は非核平和の願いを一つにするシンボル的な位置付けで、GCFを通じて恒久平和を願う市民らの思いを結集させたい考えだ。目標金額は1000万円。期間は25年2月28日まで。

 戦争の悲劇を二度と繰り返してはならない―という市非核平和都市条例に込められた思いを市民が身近にするためのモニュメント。22年8月から、非核平和活動に取り組む市民や市職員らをメンバーとする検討委員会で設置場所などを話し合ってきた。

 これまでの話し合いで設置場所を市民文化ホールの屋外敷地に決定。デザインは市内の金属工芸家藤沢レオさんが手掛けた複数のデザイン案の中から、ツタが絡み合ったような装飾を施した3本の土台が鐘を支える形状を選んだ。ステンレス製、高さ3・5メートルで総制作費を約1000万円と見込んでいる。

     ◇

 非核平和を願うモニュメント設置事業は、市民の声をきっかけに始動。21年に発足した「命と平和の鐘の設立を願う苫小牧市民の会」(出雲路英淳、森山弘毅共同代表)の署名活動と設置資金の募金活動が、大きな追い風となった。

 同会は22年4月、市に6000筆超の署名と設置資金約110万円を寄付し、岩倉博文前市長がその場で市民文化ホールの敷地内に鐘を設置する考えを表明した。

 こうした経緯を踏まえ、市は設置事業を官民一体で進めるため、検討委員会を発足。制作、設置費用確保への協力も募ろうと、市としては2例目となるGCFを始めた。ポータルサイト「ふるさとチョイスGCF」で、トイレットペーパーやスキンケア用品、ドッグフードなどを返礼品に2日から開始。11日正午時点で40人が支援し、81万7000円が集まっている。

 検討委メンバーも務める市民の会の出雲路共同代表は「私たちの署名や募金活動には多くの支援が集まり、関心の高さを感じた。非核平和都市条例の象徴として、さまざまな節目に鐘の音が響くまちになれば」と事業実現への期待を語った。

 平和の鐘のGCFサイトはhttps://www.furusato-tax.jp/gcf/3370。問い合わせは市政策推進課0144(32)6039。

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