8日投開票の苫小牧市長選は、元市議会議員の金沢俊氏(50)が2万8879票(得票率53・7%)を獲得して初当選し、元市職員の田村一也氏(49)は2万4925票(得票率46・3%)で涙をのんだ。岩倉博文前市長への評価などを争点に行われた今選挙で、両候補の支持層や有権者の投票行動について、苫小牧民報社が行った出口調査に基づいて探った。
5期18年余り市長を務めた岩倉氏が体調不良を理由に辞職したことに伴い、後任を決めるために行われた市長選。両候補はいずれも無所属新人で、金沢氏は自民、公明、新党大地の、田村氏は立憲民主、社民のいずれも推薦を受けた。
調査結果をみると、金沢氏は自民支持層の8割、公明支持層の9割をまとめた。金沢氏は岩倉氏から後継指名を受けて臨み、前回市長選で岩倉氏が獲得した得票数とほぼ同水準の支持を得た。無党派層からも6割強の支持を集めた。
田村氏は、支持基盤でもある立憲民主支持層の6割を固めたが、出馬表明から短時間だったこともあり、浸透し切れなかったもよう。共産は金沢氏への支持が上回ったが、回答者数の少なさと取材の情報を加味すると、実態とは離れているとみるが、一定数は金沢氏に流れたようだ。
調査では併せて、岩倉前市政の評価を選択式で聞いたところ、「評価する」が5割強、「評価しない」が2割弱、「どちらでもない」が約3割。金沢氏の支持基盤でもある自民、公明支持層は、全体とほぼ同様の傾向だった。
一方、岩倉市政の野党的立場だった立憲は、「評価しない」が2割超だったが、「評価する」も6割以上。共産も7割強が「評価する」と回答した。無党派層も「評価する」が6割強を占め、岩倉前市長の継承をアピールした金沢氏に有利に働いたとみられる。
◇苫小牧市長選結果(2000年以降)
2024 金沢 俊 当28,879
田村一也 24,925
2022 岩倉博文 当29,523
西村俊寛 17,412
2018 岩倉博文 当無投票
2014 岩倉博文 当35,937
工藤良一 17,837
2010 岩倉博文 当46,688
沖田清志 28,668
2006 岩倉博文 当43,274
鳥越忠行 37,187
2003 桜井 忠 当45,737
鳥越忠行 40,445



















