新年が間近に迫る中、苫小牧市内で「おせち商戦」が最終盤を迎えている。原材料価格などの高騰は長引くが、おせち価格を例年通り設定する店もある他、年末年始は9連休となる影響もあって、市内の各商業施設やホテルなどで予約も順調。インターネットを使った注文を拡充する企業もあるなど、需要を取り込もうと力を入れている。
イオン苫小牧店(柳町)では、和洋中を楽しめる5人前の二段重「饗宴」(2万314円)が最も人気。同店の予約上位はいずれも3人前以上の商品で、和食に限らず洋食や中華など、さまざまな食材を詰めた商品が人気だという。
同店は大きな値上げをしていないことも手伝って、予約は前年比約4割増と好調。同店食品課の進藤幸一課長は「1万~2万円ぐらいの3、4人で楽しめる商品が売れ筋。最近は『肉おせち』など、子どもでも楽しめる洋食が入ったおせちが人気になっている」と傾向を分析する。
8月に札幌市の飲食業PLUS2(プラスツー)に事業譲渡した弁当製造・販売甚べい(山手町、鈴木章夫社長)は今年から注文方式を一新し、ラインか店頭での事前決済が必要になった。新方式がまだ浸透せず予約は前年を下回るが、鈴木社長は「他社もウェブ注文に切り替わっている。(顧客から)『ネットで頼めないのか』と求める声もあった」と新規需要の開拓に力を入れる。
同社の売れ筋は1万円前後の商品で、苫小牧産ホッキ貝や道産ホタテを詰めた2~3人前の「北海道おせちオードブル」(7000円)などが人気という。ライン注文時には500円割引する「Web(ウェブ)割」を15日まで延長しており、さらなる注文増に期待している。
グランドホテルニュー王子(表町)は、和洋中の大三段重(4人前、3万9000円)など品ぞろえを充実し、例年と同様の売れ行き。昨年から取り組むネット販売は今年、予約の早期化に対応するため、2週間前倒しで展開してきた。既に4人前の「二段重」は予定50台を完売するなど人気だ。
21日まで予約を受け付けて終盤需要に備えており、Web割の5%割引きなどをアピール。同ホテル飲料部宴会課の田村栄伸課長によると、近年は洋食や中華の入った商品が人気で「若い世代には(二段重で)洋食と中華だけを選択する人もいる」と話している。
















