苫小牧高専と協力会シンポ OBの櫻原さん宇宙開発語る

苫小牧高専と協力会シンポ OBの櫻原さん宇宙開発語る
技術者としての歩みを振り返る櫻原さん

 苫小牧工業高等専門学校(小林幸徳校長)と同校協力会(関根久修会長)は16日、苫小牧市内のホテルで地域連携シンポジウムを開いた。開校60周年記念事業の一環。同校出身で本田技術研究所宇宙開発戦略室の櫻原一雄さん(62)が「挑戦~地上から宇宙へ」と題し、これまでに携わった仕事を振り返りながら、技術者として大切にしてきた思いを語った。

 同校の学生や教員、協力会企業の代表者、市民など約160人が参加した。

 1982年に同校機械工学科を卒業した櫻原さんは同社で四輪車のエンジン設計やモータースポーツ事業、燃料電池システムの研究・開発などに携わった後、2023年4月から同戦略室で宇宙開発に取り組んでいることを説明。これらの経験が、月面で循環型再生エネルギーシステムの構築など宇宙開発の現場で生かされているとし「人生において無駄な経験はない」と力を込めた。

 技術者として「物事を単純化させ、本質がどこにあるのかを見極める」という意識を常に大切にしてきたことも強調。学生たちに「技術に対して謙虚な気持ちを持ち、自分の限界を自身で広げられるような人を目指してほしい」と呼び掛けた。

 シンポジウムでは同校専攻科の1年生や同校教員などによる研究成果発表や、同校の歴史を紹介する60周年記念展示なども行われた。

 このほか、小林校長は主催者あいさつで、グローバル人材や半導体人材の育成に力を入れていることを説明。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を担う人材の育成へ、専門系の再編を検討していることを明らかにした。

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