ラピダス・プロジェクト 来春稼働へ節目 道が半導体推進本部会議 知事「複合拠点目指す」

ラピダス・プロジェクト 来春稼働へ節目 道が半導体推進本部会議 知事「複合拠点目指す」
ラピダスのプロジェクトの現状を確認した次世代半導体推進本部会議=18日、道庁

 道は18日、北海道次世代半導体産業立地推進本部会義を開いた。千歳市に次世代半導体工場を建設中のラピダス(東京))のプロジェクトの現状と進捗(しんちょく)状況を確認。鈴木直道知事は同社が発注した「極端紫外線(EUV)露光装置」の搬入作業が始まったことを挙げ、「来年春のパイロット(試作)ライン稼働に向けて節目を迎えた」と強調。今年3月に策定した北海道半導体・デジタル関連産業振興ビジョンを基に「国、千歳市など関係機関との連携を一層強化し、同社のプロジェクト成功に向けて必要な支援に取り組んでいく」との姿勢を示した。

 水口伸生経済部長がプロジェクトの現状を報告。ラピダスの製造拠点の11月末現在の建設工事について、建屋建設の進捗は85%、パイロットライン稼働開始に対する建設工事全体の進捗は70.9%と説明。「スケジュール通りに進捗している」と述べた。

 また、政府の経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算が17日の参院本会議で可決・成立し、次世代半導体の量産技術開発等に8119億円が盛り込まれたことも説明した。

 道の取り組みとしては、第4回定例道議会で、GX(グリーントランスフォーメーション)に関する道税の税制優遇条例が可決・成立したことを報告。さらに企業立地補助金について「半導体関連産業への補助限度額の拡充を検討中」であることを明かした。

 知事は国会の質疑で、石破茂首相がラピダスのプロジェクトについて「北海道が持つ無限の可能性を引き出すという意味で大変意義がある。北海道がけん引する新しい日本という形をつくっていただけたら。国として最大限の支援をする」と答弁したことを紹介。

 知事は「内閣総理大臣の発言で、大変心強い」と指摘。「道が目指すのは半導体の製造だけではなく、製造・研究・人材育成が一体となった複合拠点の実現」と強調。「北海道がけん引して新しい日本をつくることや、産業の集積によって北海道の経済を活性化していく」と意欲を示した。

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