次世代半導体製造を目指すラピダス(東京、小池淳義社長)は18日、千歳市内で建設中の工場に極端紫外線(EUV)露光装置を初めて搬入し、設置作業を開始したと発表した。同装置の導入は国内初。新千歳空港で式典を行い、小池社長は「パイロットラインがスタートでき、2027年に量産開始するマイルストーン(中間目標)を越える第一歩」と強調した。
EUV露光装置は、オランダのASML社が世界で唯一製造。特殊な光で半導体の基板に微細な回路を焼き付ける、2ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体量産の実現に不可欠な装置だ。長さ10・3メートル、幅3・2メートル、高さ3・4メートル、重さ71トン。ラピダスは同装置を皮切りに、装置や搬送システムを導入し、来年4月の試作ライン稼働に備える。
式典で小池社長は「北海道、日本から全世界に最先端半導体を届ける確実な第一歩」と強調。昨年9月に着工した工場の建設工事進捗(しんちょく)率が88%に達し、来年2月にほぼ完成する見通しも示した。
一方で「2ナノメートルは相当難しい技術で、ライバルも量産に成功していない。これから越えなければならない課題は山ほどある」としつつ、「EUV露光装置の導入台数は、能力と性能を確認しながら今後決める」と述べた。
式典には経済産業省の奥谷敏和大臣官房審議官、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の横島直彦副理事長、鈴木直道知事、横田隆一千歳市長らが出席した。
















