「学び直し」導入7% 道内企業リスキリング意識調査 半数近くが消極的 帝国データ調べ

「学び直し」導入7% 道内企業リスキリング意識調査 半数近くが消極的 帝国データ調べ

 人手不足が深刻化する中、「人への投資」による生産性向上は、企業経営にとって看過できないテーマとなっている。帝国データバンク札幌支店は、リスキリング(新しいスキルを学び直す取り組み)に関する道内企業の意識調査結果を発表した。リスキリングに「取り組んでいる」と回答した企業は7.1%と1割未満。今後、「取り組みたいと思う」(15.5%)を合わせても、リスキリングに積極的な企業は22.6%にとどまっている。

 一方、「取り組んでいない」企業は45.3%に上り、半数近くが消極的である現状が浮き彫りに。さらに「言葉も知らない」(12.2%)、「意味を理解できない」(10.4%)との回答もそれぞれ1割を超えた。

 リスキリングに「取り組んでいる」企業の業種別では、経験や技術、目利きなどが求められる「出版・印刷」、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」、「紙類・文具・書籍卸売」(各33.3%)が3割を超えて高水準だった。これに対し、デジタル人材として高度なITスキルが求められる「情報サービス」は15.4%にとどまっている。

 「取り組んでいる」企業の規模別では、大企業が9.8%で最も高く、中小企業(6.5%)、小規模企業(5.7%)の順だった。

 リスキリングは労働生産性を高める効果が期待できることから、人手不足を解消させる一手となり得る。従業員が「不足」と回答した企業では、リスキリングに取り組んでいる割合は8.1%。従業員が「適正」(5.2%)、「過剰」(4.3%)と感じている企業より高かった。

 リスキリングに積極的な企業の取り組み内容(複数回答)は、「従業員のスキルの把握、可視化」が49.6%でトップ。これに「eラーニング、オンライン学習サービスなどの活用」(44.3%)、「就業時間内におけるリスキリングの実施」(40.0%)、「経営層による新しいスキルの学習、把握」(35.7%)が続いた。

 リスキリングに取り組む際の課題(複数回答)については、「対応する時間が確保できない」が45.9%で最多だった。

 企業からは「不確定要素の高いリスキリングに費用をかけてもそれに対する収益の見込みがつかない」(自転車小売)などの声が上がっている。

 調査は10月18~31日、道内企業1143社を対象に実施。510社から回答を得た(回答率44.6%)。

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