CO2排出量削減へ 相殺燃料油を導入 とませいHD

CO2排出量削減へ 相殺燃料油を導入 とませいHD
新設したタンクからCO2オフセット軽油をごみ収集車に給油

 苫小牧市柳町で環境事業などを総合展開する、TOMASEI(とませい)ホールディングス(HD、渡辺秀敏代表取締役)が胆振管内で初めて、二酸化炭素(CO2)排出量をカーボンクレジットでオフセット(相殺)する出光興産(東京)の燃料油を導入した。同真砂町の出光興産北海道製油所(原英之所長)で製造し、同晴海町の同社特約販売店フジタ産業(藤田健次郎社長)が供給する燃料で、苫小牧の企業が連携して脱炭素社会の実現をリードする。

 とませいHDは16日から、燃料油の使用時に排出されるCO2全量分を、国が認証するJクレジットで相殺する、出光の「ICOF(アイコフ)」の軽油を導入した。同社グループのごみ収集車10台で使用を始めた他、発電機などへの活用も予定している。

 グループで使う軽油年間40万リットル超のうち、同6万リットル弱をアイコフに切り替える計画で、CO2排出量を年間約200トン削減。軽油を受け入れるため市内の柳町、新開町の同社拠点2カ所に、太陽光発電パネルを搭載した少量危険物タンク(容量990リットル)を1基ずつ、計約400万円で新設した。

 同社は脱炭素の実現に貢献しようと、2030年までにCO2排出量を22年度比で半減する計画。CO2排出量は現在年間約2000トンで、アイコフ導入により10%程度を削減できる。渡辺代表は「市が脱炭素化を進めるゼロカーボンシティに当社も環境企業として寄与できる」と喜ぶ。

 アイコフ特約販売店のフジタ産業が、週1回ペースでタンクに給油。市内はもちろん胆振管内で初の取引で、同社の秋生秀幸営業本部主任は「苫小牧から発信していく気持ちで取り組む」と強調。アイコフは現在ガソリンスタンドで取り扱っていないが、今後は需要に応じて供給体制も検討する構えで、「普及するきっかけになれば」と期待する。

 渡辺代表も「ハード面が整っていけば(アイコフの)拡大も考えたい」と意欲。一方、燃料の価格動向にもよるが、通常の軽油と比べて1リットル当たり5円以上は高値といい、「今後出てくる新しい技術やコストバランスを比べながら、環境への投資を積極的に行っていけたら」と展望している。

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