苫小牧北光小学校3年の秋岡青空(そら)君(8)は地震や大雨の被害に苦しむ能登半島の被災地への義援金として、独力で市民らから募った3万1987円を日本赤十字社に寄付した。苦しんでいる人の力になりたいと、9月に1人で募金活動をスタート。家族の協力を得て直筆の呼び掛け文を添えた募金箱を地域の美容室などに置かせてもらい集めた善意で「助け合う気持ちを広げられれば」と話す。
社会科好きの秋岡君は日本の地理の勉強を重ねるうち、次第に各地の自然災害にも目を向けるように。「怖い」と思いつつも被害の状況やメカニズムなどを伝える動画をインターネットで視聴するなどし、知識を深めているという。
そんな中で9月、外出先で父が盲導犬育成の募金に協力する姿を目にし、寄付という形で人を支援できることを学んだ秋岡君。「災害で何もかも無くし、大変な思いをしている人のために自分も(募金活動を)やってみよう」と思い立ち、学校を通して配られた紙製の募金箱を手に放課後、道行く市民に「能登半島地震の被災地に送る募金を集めています」と声をからした。
見ず知らずのたった1人の子どもに善意を託す人はほとんどおらず、一時は「やっぱり無理かもしれない」という諦めの気持ちになったというが、一人奮闘する息子を思う父の手助けで、地域の美容室2軒に募金箱を置かせてもらえることに。「(地震で)まだ悲しんでいる人も中にはいます」「こっちは大丈夫と油断せず、北海道胆振東部地震を思い出してください」など思いをつづった紙と一緒に募金箱を設置した。
北光小の教職員にも同様に協力を募り、約3カ月間で3万円超を集めた。今月3日、北洋銀行の義援金受け付け口座に義援金を入金。その中には、自らためた小遣いも入っている。
秋岡君は「石川県では地震だけではなく大雨災害もあり、今も怖くてつらい思いをしている人もいると思う。今回は募金活動しか思いつかなかったけど、自分にできることがあれば、また行動したい」と力を込めた。
















