道・札幌市トップ会談 GX・観光・防災で連携 政策の方向性確認 11カ月ぶり道市懇開催

道・札幌市トップ会談 GX・観光・防災で連携 政策の方向性確認 11カ月ぶり道市懇開催
道市懇で意見を交換した鈴木知事(右)と秋元市長(左端)=25日午後4時40分ごろ、札幌市資料館

 2024年度の北海道・札幌市行政懇談会(道市懇)が25日、歴史的建造物の札幌市資料館(中央区大通西13)で開かれた。鈴木直道知事と秋元克広市長が出席し、道と同市の来年度の政策推進の方向性を巡り意見を交換。GX(グリーントランスフォーメーション)や観光、防災分野を中心とした連携を確認した。

 道市懇の開催は、今年1月以来11カ月ぶり。道から鈴木知事や3人の副知事、札幌市から秋元市長や3人の副市長らが出席した。

 冒頭のトップあいさつ以外は非公開で開催。鈴木知事は1月に発生した能登半島地震に触れ「災害の対応、重要性を痛感した年だった」と指摘し、「災害が発生した時にしっかり札幌市民、道民の皆さんを守るため、道庁と札幌市の連携を強化したい」と述べた。

 秋元市長は11月に北海道エアポートと協定を交わしたことを挙げ、「丘珠空港と道内の7空港と連携しながら、インバウンド(訪日客)のお客さんを中心に、全体のパイを広げていくための取り組みを進めていきたい」と意欲を示した。

 会合では(1)25年度の政策推進の方向性(2)道と札幌市の潜在力の発揮(GXの推進、観光の振興)(3)道と札幌市の持続的な発展(人材の確保、子ども政策、防災対策)―の三つをテーマに意見を交わした。

 (1)では、札幌市側は「GXなど時代の変化を捉えた積極的な投資に取り組み、北海道全体の発展をけん引する、持続可能で魅力ある札幌のまちの実現を目指す」と説明。道は「食料・経済安全保障など北海道の役割を発揮。北海道の課題解決と179市町村の地域創生の実現を目指す」との姿勢を示した。

 (2)では、6月に北海道・札幌市がGX金融・資産運用特区に決定し、国家戦略特区に指定されたことを重視。「道・札幌市がGX関連産業の集積、金融機能の強化・集積に向けて連携して施策を推進」することを確認した。また、26年4月から道と札幌市がそれぞれ法定外目的税「宿泊税」の課税を開始することについて意見を交換。宿泊税財源の活用も見据え、「インバウンドを含めた道内観光客の増加、観光人材確保・育成、繁閑差解消など観光を取り巻く課題解消に向け、道市連携による施策を展開」するとした。

 (3)では、来年1月29、30日に道と札幌市の共催で初めて、冬場の避難所での宿泊を想定した防災研修(北区体育館)の実施を決定。道内の被災時の対応力強化(災害時における外国人を含めた情報発信、他地域からの広域避難受け入れなど)▽道・札幌市が道外被災地を引き続き支援する―ことも確認した。

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