蛇の文様「イクパスイ」干支コレクションアワードにエントリー 美術博物館

蛇の文様「イクパスイ」干支コレクションアワードにエントリー 美術博物館
エントリーした蛇行文のイクパスイ

 全国各地の美術館や博物館が今年の干支(えと)の「巳(み)」にまつわる所蔵品を出品し、人気投票で順位を決める「ミュージアム干支コレクションアワード2025」が行われている。苫小牧市美術博物館は蛇がはうような文様入りのアイヌの儀礼用道具「イクパスイ」を出品。現物を同館ロビーに展示し、アイヌ文化を紹介するとともに投票を呼び掛ける。投票期間は24日午後3時まで。

 美術館や博物館情報を掲載する大手サイト「インターネットミュージアム」の恒例企画。今回は▽国宝・金印「漢委奴国王」(福岡市博物館)▽葛飾北斎の肉筆画帖(がじょう)の蛇と小鳥(北斎館)▽アオダイショウの骨格標本(佐賀県立宇宙科学館)▽蛇紋岩の石材ベンチ(多摩六都科学館)―など57点がエントリーした。

 市美術博物館のイクパスイは木製で、長さ30センチ×幅2・5センチと同33センチ×同2センチの2点。「蛇行文(だこうもん)」と呼ばれる文様がそれぞれ刻まれている。岩波連主任学芸員によると、イクパスイはアイヌの言葉をより正確にカムイ(神)に伝える役割を持ち、「文様に決まりはなく、幾何学文様や動物意匠、刀剣をかたどったものもある」という。出品したイクパスイには「うろこ彫りや青海波(せいがいは)のような模様もあり、緻密な表現もぜひ見てほしい」と語る。

 イクパスイは6日正午現在13位。同館は21年から同アワードに挑戦し、最高順位は同年の版画「春と修羅 牛」(版画家・佐藤国男さん作)と23年のユキウサギの剝製のいずれも7位。

 投票は1人1日1票までだが、期間中は何度でもできる。同アワードの公式サイトはhttps://www.museum.or.jp/eto-colle/2025。

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