事件、事故などをいち早く警察に通報するための緊急ダイヤル「110番」。苫小牧署管内(東胆振1市4町)では2024年、前年比1108件増の1万2330件の利用があった。事件、事故の通報が約4割を占めた一方、苦情や問い合わせも多く、「体調が悪いので病院まで送ってほしい」といった不適切通報もあったという。きょう1月10日は110番の日。
110番の内訳は交通事故関係3632件(前年比237件増)、犯罪情報提供1590件(同323件増)、けんかや口論572件(同71件減)、刑法犯関係557件(同85件増)など。事件、事故関連の通報とそれに付随した情報提供で約5割を占めた。
通報総数の増加は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられ、行動が活発化していることが一因とみられる。
本来の目的とかけ離れた通報は3226件。全体の26%を占め、23年(28%)とほぼ横ばいだった。
「110番通報があれば警察官は緊急事態として現場に急行し、先入観を持たずに対応する」と同署。迅速な110番通報で、早期逮捕に至った事案もあった。
昨年9月16日には、苫小牧市内の飲食店を車で訪れた50代の男がドライブスルーに入った際、応対した女性店員に着衣から下半身を露出させ、現場から逃走。店からの110番通報で駆け付けた署員が現場から数百メートル離れた公道で男を発見し、逮捕した。
同署の大賀光一郎警務課長は「110番は、緊急を要する人にとって最後のとりで」と強調。「運転免許更新や地理案内などに利用すると、緊急通報の妨げになる」と適切な利用を呼び掛けている。
緊急性のない相談、問い合わせは同署=電話0144(35)0110=、または警察相談専用電話♯9110。
















