苫小牧市社会福祉協議会は9日、引きこもりの人への理解や接し方に関する講演会を市民活動センターで開いた。不登校や引きこもりの人への支援活動に取り組む北海道教育大学大学院准教授の齋藤暢一朗さんが、本人の気持ちや状況に想像を巡らせて現状に合わせた関わりをすることの大切さを説いた。
市社協が隔月で行っている当事者や家族の交流の場「とまとま」の一環。引きこもりの家族がいる人や支援的な立場にいる人など68人が参加した。
齋藤さんは引きこもり状態となる人の心理的特徴として、▽弱さを見せることが苦痛▽自分の力で頑張り通したい▽甘えたり、頼ったりすることが苦手▽常に成果を出さなければならないと考えている―といった傾向があることを指摘。こうした性格と上手に付き合っていくことが回復にもつながるとし、「家族は本人の性格を理解、尊重し、内面を想像する視点を持って」と呼び掛けた。
また、喜び、楽しみなどの心のエネルギーが不足していると、変化や挑戦といった行動に移すことが難しいことも説明。趣味や好きなものの話を気軽にすることで心のエネルギーを高められる可能性があるとして、外部からの訪問支援や「とまとま」のような交流の場を有効活用するよう呼び掛けた。
















