苫小牧市が新たな試みとして昨年末、忘年会シーズンに行った夜間バス「ナイとまバス」の実証運行。タクシーの運転手不足への対応や、繁華街のにぎわい創出を目的に実施し、週末の計4日間で101人が乗車した。金曜午後11時台のニーズが高く、市は「既存の公共交通を生かした取り組みとして一定の効果があった」と手応えをつかんだ。
実証事業は、市営バスを運行する道南バス(室蘭市)が協力し、昨年12月20、21、27、28日の計4日間、実施した。「102」の光洋澄川線(錦西営業所行き)と、「103」の沼ノ端勇払線(勇払正門行き)で、それぞれ午後9時15分、同11時にグランドホテルニュー王子前出発の1日各2便を運行した。
日にち別に見ると、最も利用が多かったのは金曜の20日で、50人(東23人、西27人)が乗車。翌21日は10人(東4人、西6人)に落ち込んだが、次の金曜の27日は26人(東11人、西15人)に回復し、28日は15人(東11人、西14人)だった。
時間帯ごとでは、午後11時出発の利用が多く、初日は7割の35人、21日は8割の8人、27日は全26人のうち25人を占め、28日は15人全員が11時の利用だった。男女別では、男性は79人で各年代に利用があり、女性は22人で比較的若い層に需要があった。
事業はタクシーの運転手不足などにより、忘年会の参加を見送るケースもある背景を踏まえ、市公共交通協議会が持続可能な公共交通の可能性を探る目的で実施。同協議会事務局の市まちづくり推進課は「まずは事故や大きなトラブルがなく終わった」と安堵(あんど)した。
タクシー1台につき乗客2~3人と換算すると、「5~7台分の補完につながった」と分析。今後の方針はまだ未決定だが、次年度以降も時間帯の見直しなど「方法を変え、実施を検討していきたい」と意欲を示した。



















