内外情勢調査会苫小牧支部(宮本知治支部長)の1月懇談会が14日、市内のホテルで開かれた。北大大学院水産化学研究院准教授の佐々木貴文氏が「日本の食料安全保障と漁業」と題し講演した。
佐々木氏は「かつて外貨獲得産業だった日本の水産業は200カイリ体制や国際問題に翻弄(ほんろう)され、2050年には就労者が7万人にまで減少する」と危機感を示し、国が外国人労働力の導入を進めている現状を紹介した。
佐々木氏は「中国や台湾の漁船の展開・操業で沖合・遠洋漁業を守ることは容易でない。尖閣諸島の領海も圧倒的勢力の中国漁船が漁場を占拠している」と指摘。「漁業者は国民に食料を供給する食料安全保障上の重要な役割を担い、時には国益の外交カードになりながら国境で産業を守る役割も担う」と述べ、「日々果たされている漁業の公共性に注目することが大切」と強調した。
佐々木氏は1979年、津市出身。2006年に北大大学院教育学研究科博士後期課程修了。農林水産省水産政策審議会委員など政府委員を歴任し、23年9月から同審議会会長。
















