苫小牧市の2024年末人口は16万5590人となり、前年に比べて1256人減り、11年連続で前年を下回った。出生数は過去最少を更新する779人となり、3年連続で1000人を下回った。死亡数は過去最高の2216人と、2年連続で2000人台に乗った。死亡数が出生数を上回る「自然減」も膨らみ続けており、市は危機感を強めている。
住民基本台帳に基づくまとめ。男女の内訳は、男性が前年比570人減の8万1259人、女性が686人減の8万4331人。市の人口は13年末の17万4469人をピークに減少が続いている。少子高齢化を背景とする自然減は11年から始まり、24年末で14年連続となった。
このうち自然動態は、出生数が118人減で過去最少を、死亡数が12人増で過去最高を、いずれも前年に続いて更新。死亡数が出生数を上回る「自然減」は1437人で、統計が残る1953年以降で最大。従来の統計史上最大だった23年の自然減1307人を、さらに130人上回った。
年齢別の内訳は、15歳未満が763人減の1万8268人、15~64歳の生産年齢人口が646人減の9万6370人、65歳以上が153人増の5万952人。市政策推進課は、20~30代がこの5年ほどで1000人近く減少し、人口ピラミッドが崩れている現状に触れて、「子どもを産むであろう世代が年々減っている」と指摘する。
一方、社会動態は、転入が49人減の6080人、転出が390人減の5904人。転入が転出を176人上回り、3年ぶりの「社会増」となった。金澤俊市長は、昨年12月の市長選で掲げた公約に子育て支援の充実、トップセールスによる企業誘致を盛り込んでおり、今後の社会増に意欲を見せる。
同課は、人口減少対策に関する目標や施策などをまとめた第3期人口ビジョン・総合戦略を25年度に向けて策定中。▽仕事をつくり、安定した雇用環境▽結婚の希望をかなえ、安心して出産・子育てができる環境―などを整える四つの基本目標と、企業誘致や子育て支援、まちの魅力発信などの施策を掲げており、人口減に歯止めを掛けたい考え。同課は「特効薬はないが、あらゆる角度から有効な手立てを複合的に展開していきたい」と抑制に力を注ぐ。
















