鵡川高校(三村素道校長)は今年度、内閣府による「高校生の地域留学推進のための高校魅力化支援事業」と道教育委員会の「高校生対流促進事業」の指定を受け、むかわ町と学校、関連団体でつくる「高校魅力化コンソーシアム」を立ち上げた。来年度から首都圏に住む高校生の短期留学(1年間)を受け入れる「地域みらい留学365」をはじめ、町全体をキャンパスに捉えた学校、まちづくりを通じて関係人口の拡大、地方創生を目指す。過疎化や少子高齢化など地方が抱える課題解決の起爆剤として期待される。
高校魅力化コンソーシアムは地方自治体と高校、関連企業などからなる共同体。内閣府の地方創生の一環として今年度から5年間、全国の都市部から高校2年生を対象に1年間の留学を受け入れるなどブランド価値を付けることで、高校の魅力化、地域の担い手育成だけではなく、将来的なUIJターンや関係人口を拡大させ新しい人の流れや人材育成にもつなげる。
29日に同校で行われた設立総会と最初の運営委員会には、地元の教育関係者、消防、農協など各団体から約40人とオンライン会議「Zoom(ズーム)」を通じて地域商社や町と相互協力協定を結んでいる桐生短期大学の関係者などが参加。今年度の計画や事業内容などを話し合った。三村校長は「町全体をキャンパスとし、課題でもある学校と地域の垣根を越えて生徒を学校の外に出し、皆さんに学校に足を運んでもらう取り組みを進めたい」とあいさつ。また同校の入学者数が減少傾向にある状況を踏まえ、「危機感を持って進めていく」と協力を呼び掛けた。
同コンソーシアムは今後、7月26日にオンラインで行われる地域みらい留学365の合同説明会に参加し、プレゼンテーションを計画。並行して職業体験(インターンシップ)などを通じたデュアルシステム構築に向けて地元企業と調整するほか、地域の小中高生向けに設立を目指す学習センター(仮称)の整備に向けて準備を始める。
■地域みらい留学365
内閣府と地域・教育魅力化プラットフォームが共同で今年度から立ち上げる取り組み。高校2年生が1年間の国内単年留学を通じて、都会では味わえない自然や文化に触れ、新たな出会いや友人、世代を超えた多くの仲間たちと共に、地域ならではの魅力を肌で感じ、生きた課題に向き合う。全国で12校が指定を受けており、道内では鵡川高のほか上川管内の幌加内高、オホーツク管内の斜里高が受け入れ校となっている。

















