投資会社のMAプラットフォーム(東京)は6月30日、苫小牧市植苗地区で進める高級リゾート計画について、新型コロナウイルスの影響を考慮して大幅に見直す方針を明らかにした。外国人富裕層向けの高級リゾートを2023年にも開業予定だったが、コロナ収束後の社会の動きを見据え、当初路線を踏襲しながら新たな需要開拓も狙った計画に練り直す。
不動産開発大手森トラスト(東京)の森章会長がオーナーを務める同社は昨年10月、新千歳空港に近い同地区での海外富裕層をターゲットとした高級リゾート計画を公表した。同社が保有する約1000ヘクタールのうち、約40ヘクタールを4期に分け造成する内容で1期計画では6・6ヘクタールのエリアに概算で約400億円を投じ、健康施設付き高級ホテル1棟やコンドミニアム2~3棟を整備。21年着工、23~24年の開業を目指していた。
しかし、コロナ禍で国内外の旅行需要が急激に落ち込んでおり、同社の吉田武副会長は「着工はワクチンや特効薬ができ、新型コロナが収束した後になるだろう」と説明。スケジュールがずれ込む可能性を示唆しつつ、計画凍結は「全くあり得ない。事業の縮小もない」と強調した。
高級スパ・リゾートを手掛けるシンガポールの「ジャヤソム」や設計会社と契約を結び、健康志向の高級リゾートを整備する路線に関しても「こうした需要はコロナ後ならば、必ずある」と力説した。
その上で、コロナ禍による社会の変化を踏まえ「ホテル、住宅、リゾートの各機能と、もう一つ付加価値が必要になる」と指摘。具体的には急速に普及しているテレワークと休暇を結び付けた「ワーケーション」の需要の高まりに期待を寄せた。
リゾート計画の隣接地はカジノを含む統合型リゾート(IR)の優先候補地だったが、道が昨年、誘致に向けた国への申請を見送る判断をしたことについては「IRが来たらにぎわいが増しただろう。補完し合えると思っていた」としながら、「われわれとはスタイルが違う」とし、大きな影響はないとの認識を示した。
国際リゾート構想を、まちの成長戦略に掲げる苫小牧市も同社の動向を注視する。6月26日に上京し、森会長と懇談した岩倉博文市長は「計画凍結の話は一切なかったが、新しい時代に合った計画の見直し作業に入ったとは聞いている」と説明。市は今年度中に国際交流拠点の形成を目指した都市再生プランを策定する方針で、「国際リゾート構想を成長戦略に位置付け、チャレンジする考え方に変わりはない」と述べた。
















