苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)は今月、地元で水揚げされた魚を苫小牧市内の子ども食堂に、無償提供するプロジェクトをスタートさせる。市場に流通せずに捨てられる「未利用魚」を有効活用する。年間800キロ程度を提供する方針で、カレイを中心に新鮮な魚を急冷して確保。子どもたちの魚離れが指摘される中、食育や地産地消につなげたい考えで、同漁協は「子ども向けの出前講座なども企画していけたら」と意気込んでいる。
同漁協によると、5月のカレイ刺し網漁で混獲されたスナガレイ、カジカ、カスベを8キロずつ箱詰め。氷点下30度で急冷保存している。提供を希望する子ども食堂に「子ども食堂プロジェクトカード」を配り、食堂側が希望する日にカードをその都度提示し、漁協の冷凍庫から魚を引き取ってもらう仕組みにした。
未利用魚は主に刺し網漁の混獲魚で、市場に出しても値段が付かず漁業者が処分してきた。見た目のグロテスクさで敬遠されたり、魚体が小さくて流通できなかったりと、値段が付かない理由はさまざまだが、せっかく取った魚が一部無駄になっていた。
同漁協は販売ルートの開拓も検討したが、「骨がある状態では取引できない」などと断られるケースが多かった。
子ども食堂への無償提供は資源の有効活用に加え、地域で「魚食」を普及する狙いもある。同漁協総務部長の赤澤一貴さん(38)は「近年は市内でも魚食離れが進み、そのままの魚を見たことがない子どももいる」と指摘。「食べてもらえれば前浜の魚のおいしさを知ってもらえる。『捨てるなんてもったいない』と思ってくれたら」と期待する。
漁協の女性部、青年部の協力で、子ども食堂開催時の出前講座や料理教室も検討中。「新型コロナウイルスの状況も踏まえながらタイミングを判断したい」としている。
無償提供は4日、市内音羽町で子ども食堂を実施しているNPO法人「木と風の香り」(辻川恵美代表理事)への8キロ引き渡しが最初。同法人は5日以降に海鮮カレーやフライでの提供を考えており、辻川代表理事(39)は「苫小牧は港まちなので、定番メニューにしていきたい。子どもたちが魚の生態などを学んで、身近に感じる機会も持てれば」と話している。
















